SAP BTPでは、既存のシステムに新しい機能を追加するためにカスタマイズが必要な場合があります。Integration Suiteを利用することで、SAPのクラウドベースのインテグレーションプラットフォームでビジネスプロセスを効率化し、データの一貫性を確保し、インテグレーションを改善することができます。そこで本記事では、BTPでのOpen Connectorsの作成や実践方法について解説します。
SAP BTP のOpen Connectorsとは
Open Connecterとは、SAPシステムやクラウドサービスなど、あらゆるアプリケーションやシステムを接続するためのソフトウェアで、SAP Integration Suite の一部のサービスです。リモート関数コール(RFC)、IDocやODataなどのSAP標準機能をサポートし、API経由でのデータ送信や受信が簡単にできます。また、複数のシステムを容易に接続できるため、クラウドとオンプレミスの両方に対応しています。
Open Connectorsを利用してSlack APIと連携してみよう
今回はOpen Connectorsを利用して、Slackと連携しましょう。
※ 事前にSLACKのアカウントとワークスペースを作成する必要があります。
1. アプリケーションにアクセスするため許可追加
Open Connectorsを利用するためには、Integration Suiteのサービスの権限を許可する必要があります。
EntitlementのConfig Entitlementをクリックします。
Integration Suiteを選択してService Planを追加します。
Service MarketplaceにIntergratcion Suiteが表示されました。
2. Integration Suiteインスタンス作成
作成したインスタンスが表示されました。
しかし、SAP Integration SuiteのインスタンスにアクセスするためにはIntegration_Provisionerのロールが必要になります。
3. Integration_Provisioner ロール追加
Integration_Provisionerは、ユーザーがSAP Integration Suiteのインスタンスにアクセスして統合および関連の作業を実行するための権限を付与するロールです。
SecurityのUsersでユーザーにIntegration_Provisioner ロールを追加しましょう。
ユーザーにロールを割り当てたので、インスタンスに接続することができました。
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4. SAP Integration Suite
SAP Integration Suiteには、APIマネジメント機能、クラウドインテグレーション機能、ハイブリッドインテグレーション機能、データインテグレーション機能など、多彩な機能が備わっています。今回は非SAPシステムを簡単に連携するためにExtend Non-SAP Connectivityを有効化します。
有効化したExtend Non-SAP ConnectivityからConnectorsを作成します。
5. Open Connectors
Open Connectorsは、100を超えるプリビルド済みのコネクタを提供しており、これを利用してさまざまなWebアプリケーションやエンタープライズアプリケーションに接続することができます。
ConnectorsからSlackインスタンスを作成します。
事前準備したSlackアカウントとのアクセス権限を許可します。
連携されたSlack関連APIリストです。
SAP Open Connectorsから作成したSlackのチャンネルです。
まとめ
「SAP BTP とOpen Connectorsを活用した非SAPシステム連携の実践方法」と題して、ご紹介してまいりました。Open Connectorsを利用した、Slackとの連携の設定方法がご理解いただけたでしょうか?
Open Connectorsを利用することで、SAPシステムとの連携が容易になり、非SAPアプリケーションとの接続性を向上させることができます。これにより、シームレスなビジネスプロセスを実現し、柔軟なオペレーションが可能になります。
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