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​​くるみん認定とは?基準、申請方法、子育て支援企業としてのメリットを徹底解説​ 

​​少子高齢化による労働力不足が進む現代、日本経済の発展のためにも、企業の持続的な成長のためにも、育児と仕事を両立できる環境の整備が喫緊の課題となっています。​

​​そんな中、子育てを積極的にサポートする企業を認定する制度として、2007年にスタートしたのが「くるみん認定」です。現在は、くるみん認定についての社会的認知も進み、多くの企業がくるみん認定を取得しています。​

​​今回は、くるみん認定制度の概要や認定取得のメリットなどについてご説明します。​

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女性が活躍する職場づくり3つのポイント

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くるみん認定とは

​​くるみん認定とは、次世代育成支援対策推進法に基づき、一定の基準を満たした企業を厚生労働大臣が認定する制度です。この認定を受けると、該当企業は仕事と育児の両立を積極的にサポートしている「子育てサポート企業」であることの証明となります。これは、女性従業員だけでなく、男性従業員の育児参加も支援する姿勢を示すものです。​

​​くるみん認定には「くるみん認定」「トライくるみん認定」「プラチナくるみん認定」の3つの種類があります。さらに、2022年4月からは、不妊治療と仕事の両立に積極的に取り組み、一定の認定基準を満たした企業に対し「プラス」認定が追加され、より多様な働き方を支援する動きが広がっています。​

​​くるみん認定制度誕生の背景と次世代育成支援対策推進法​

​​くるみん認定制度は、次世代の社会を担う子どもたちの健全な育成を支援することを目的に、2005年に施行された次世代育成支援対策推進法に基づいて創設されました。当初は10年間の時限立法(有効期限が定められている法律)でしたが、想定以上の速さで少子化が進行していることから改正が重ねられ、現在は2035年までの延長が決まっています。​

​​少子化問題の改善には、国や地方自治体だけでなく、男性を含めた労働者が仕事と育児を両立できる環境を整える企業の取り組みが不可欠です。次世代育成支援対策推進法では、労働者の仕事と子育てに関する「一般事業行動計画」の策定を企業に求めています。この行動計画に定めた目標を達成するなど、一定の基準を満たした企業を認定する制度がくるみん認定制度です。​

​​つまり、くるみん認定制度は、男性も女性も仕事と育児を両立しやすい職場環境づくりを企業に促し、子育てサポートの取り組みをより一層促進するために制定された制度であるといえます。​

くるみん認定取得!男性育児休業の現状とパソナの取り組み事例

男性育休には企業側・取得する従業員側の双方にメリットがあります。 全国平均と比較して高い実績をあげているパソナの取り組みを基に、男性育休の取得推進に必要なアクションをご紹介します。

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くるみん認定取得!男性育児休業の現状とパソナの取り組み事例

くるみん認定企業は増加傾向

出典次世代育成支援対策推進法の施行状況について(厚生労働省)

くるみん認定制度がスタートした2007(平成19)年4月末までにくるみん認定を取得した企業はわずか128社でした。しかし、上記のグラフから読み取れるように、くるみん認定企業は年々増加し、2020(令和2)年3月末には開始時の約26倍にあたる3,312社がくるみん認定を取得しています。

なお、現在も増加傾向は続いており、2025年2月末時点でのくるみん認定企業の数は4,943社にも上ります。

出典くるみん認定、プラチナくるみん認定及びトライくるみん認定企業名都道府県別一覧|厚生労働省

くるみん認定の3つの種類

くるみん認定には基本的な「くるみん認定」に加え、より取得しやすい「トライくるみん認定」、そして、くるみん認定・トライくるみん認定を受けた企業の中でもとくに高い水準で子育て支援に取り組む企業に与えられる「プラチナくるみん認定」の3種類があります。

2025年2月末時点での各認定企業数は、くるみん認定が4,943社、トライくるみん認定が3社、プラチナくるみん認定が714社です。

それぞれの認定基準については、このあと詳しく紹介します。

くるみん認定基準と申請方法

くるみん認定は、企業が策定した行動計画の目標を達成し、一定の基準を満たすことで、自ら申請して得られるものです。

くるみん認定基準は2025年に改正

2025年4月1日の次世代育成支援対策推進法の改正に伴い、くるみん認定基準も変更されました。主な改正点として、企業は行動計画の策定・変更時に、育児休業等の取得状況や労働時間について現状を把握し、具体的な数値目標を設定することが義務付けられました。
また、女性有期雇用労働者と男性労働者の育児休業取得率に関する基準も見直されています。ただし、2027年3月31日までは、経過措置として旧基準での申請も可能です。

3つの認定に共通する基準

くるみん、トライくるみん、プラチナくるみんのいずれの認定を受けるにも、以下の4つの基準を満たす必要があります。

1.適切な行動計画を策定している
2.計画期間が2年以上5年以下である
3.策定した行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成している
4.策定・変更した行動計画を公表し、労働者にも周知している

くるみん認定基準

上記の共通基準に加え、スタンダードな「くるみん認定」では、以下の基準を満たす必要があります。

5.男性労働者の育児休業取得率が30%以上、または、育児休業等の取得率と企業独自の育児目的休暇制度の利用率の合計が50%以上であり、「両立支援のひろば」で割合を公表している
6.女性労働者および育児休業の対象となる女性有期雇用労働者の育児休業取得率がそれぞれ75%以上であり、「両立支援のひろば」で割合を公表している
7.計画期間の終了年度において、フルタイム労働者の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月30時間未満であるか、または、フルタイム労働者のうち25~39歳の労働者の法定労働者の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月30時間未満であり、月平均の法定時間外労働が60時間を超える労働者がいない
8.男性労働者の育児休業等の取得期間の延伸、年次有給休暇の取得促進、短時間正社員制度や在宅勤務など多様な労働条件を整備するための措置のいずれかについて、具体的な成果目標を定め、実施している
9.法令を遵守している

参考資料次世代育成支援対策推進法の改正に伴い、くるみん認定、プラチナくるみん認定の認定基準等が改正されます(厚生労働省)

トライくるみん認定基準

トライくるみん認定では、共通基準に加え、以下の基準を満たす必要があります。
5.男性労働者の育児休業等取得率が10%以上、または育児休業取得者が1人以上おり、かつ男性労働者の育児休業等取得率と企業独自の育児目的休暇制度の利用率の合計が20%以上である
6.女性労働者および育児休業の対象となる女性有期雇用労働者の育児休業等取得率がそれぞれ75%以上である
7.計画期間終了年度において、フルタイム労働者の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月45時間未満であり、月平均の法定時間外労働が60時間を超える労働者がいない
8.男性労働者の育児休業等の取得期間の延伸、年次有給休暇の取得促進、短時間正社員制度や在宅勤務など多様な労働条件を整備するための措置のいずれかについて、具体的な成果目標を定め、実施している
9.法令を遵守している

プラチナくるみん認定基準

プラチナくるみん認定では、共通基準に加え、以下の基準を満たす必要があります。

5.男性労働者の育児休業等取得率が50%以上、または育児休業を取得した人が1人以上おり、かつ男性労働者の育児休業等取得率と企業独自の育児目的休暇制度の利用率の合計が70%以上である
6.女性労働者および育児休業の対象となる女性有期雇用労働者の育児休業等取得率がそれぞれ70%以上である
7.計画期間終了年度において、フルタイム労働者の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月45時間未満であり、月平均の法定時間外労働が60時間を超える労働者がいない
8.次のすべての措置を実施し、(1)または(2)のうち、最低1つについて定めた定量的目標を達成している
(1)男性労働者の育児休業等の取得期間延伸のための措置
(2)年次有給休暇の取得促進の措置
(3)短時間正社員制度や在宅勤務など多様な労働条件の整備のための措置
9.次のいずれかを満たしている
・出産した女性労働者のうち、子どもの1歳の誕生日まで在職している人の割合が90%以上
・出産した女性労働者および出産予定であったが退職した女性労働者の合計数のうち、子どもの1歳の誕生日まで継続して在籍している人の割合が70%以上
10.職業生活と家庭生活の両立を図り、意欲的に能力を発揮し、活躍できるキャリア形成支援の計画を策定、実施している
11.法令を遵守している

くるみん認定の申請方法

くるみん認定は、以下の流れで申請します。

1. 現状把握とニーズの把握:子育てと仕事の両立に関する自社の現状や従業員のニーズを把握する
2. 行動計画の策定:自社の課題に基づき、行動期間と目標を定め、行動計画を策定する
3. 計画の公表と周知:策定した行動計画を一般に公表し、従業員にも周知する
4. 計画策定の届出:都道府県労働局環境・均等部に行動計画を策定したことを届け出る
5. 計画の実施とPDCA:行動計画を実行し、進捗状況を確認しながら目標の達成を目指す
6. 認定申請:行動計画期間終了後、都道府県労働局雇用環境・均等部へくるみん認定申請書を提出する
7. 認定とマーク付与:認定後、くるみんマークが付与される

くるみん認定の有効期間

くるみん認定自体に明確な有効期間はありません。ただし、制度の根拠となる次世代育成支援推進法が2035年3月31日まで延長されているため、くるみん認定もこの期間と連動すると考えられるでしょう。

なお、くるみん認定は、新たな行動計画を策定・実施するたびに再度申請できるため、複数回の認定が可能です。認定回数はくるみんマークの星の数で示され、上部に最新の認定年が表示されます。ただし、プラチナくるみん認定は一度しか取得できません。

くるみん認定の取得メリット

企業がくるみん認定を取得すると、次のようなメリットを得られます。

くるみんマークの利用による企業イメージの向上

くるみんマークは、厚生労働大臣が認定した「子育てサポート企業」であることの証しです。このマークを自社のWebサイトや求人票、商品などに掲載することで、育児と仕事の両立支援に積極的に取り組む企業であることを広くアピールできます。とくに、出産や育児のために離職せざるを得なかった優秀な女性にとって、再就職先を選ぶ際の魅力的な要素となるでしょう。

厚生労働省が公開している資料「次世代育成支援対策推進法の施行状況について」の中で、くるみん認定企業に実施した調査の結果を紹介しています。資料によると、くるみん認定を取得した企業のうち、49.2%がその効果として「学生に対するイメージアップ」を実感しています。この結果からも、くるみんマークが優秀な人材の確保に貢献することが期待できます。

従業員の定着率向上

くるみん認定の取得過程では、子育て支援に関する行動計画を策定し、従業員に周知することが求められます。これにより、育児休業などの制度が社内に浸透しやすくなり、制度の利用促進につながります。その結果、従業員は育児や出産を経ても安心して仕事を続けやられるようになり、企業全体の定着率向上に貢献できるでしょう。

実際に、前述の「次世代育成支援対策推進法の施行状況について」ではくるみん認定された企業のうち15.9%の企業が「出産・育児を理由とした退職者の減少」、14.5%の企業が「従業員の定着率向上」を実感しています。

さらにプラチナくるみん認定企業においては、これらの効果をより強く感じている傾向があり、「出産・育児を理由とした退職者の減少」を24.0%、「従業員の定着率向上」を22.4%の企業が実感しています。

くるみん助成金を活用できる

くるみん認定やプラチナくるみん認定を受けた中小企業(常時雇用する労働者が300人以下)は、「くるみん助成金(中小企業子ども・子育て労働支援環境整備事業)」を申請できます。この助成金は、仕事と家庭生活の両立を図るための取り組みに支出した費用に対し、最大50万円まで支給する制度です。

申請は、くるみん認定の場合は1回の認定につき1回限りですが、プラチナくるみん認定の場合は1年度ごとに1回可能です。

参考サイトくるみん助成金ポータルサイト-中小企業子ども・子育て支援環境整備助成事業

賃上げ促進税制の優遇措置を利用できる

一定以上の割合で賃上げを実施した事業者を対象とした「賃上げ促進税制」では、プラチナくるみん認定を取得したすべての企業と、くるみん認定を取得した中小企業に対し、法人税額等からの控除率をさらに5%上乗せする優遇措置が設けられています。

賃上げは、従業員のモチベーション向上や定着率の向上にもつながる重要な取り組みです。くるみん認定の取得は、税制上のメリットを享受しながら、従業員がより意欲的に働ける環境整備を後押しするでしょう。

参照元賃上げ促進税制を強化!(経済産業省)

くるみん認定とえるぼし認定の違い

くるみん認定と混同しやすい認定制度に「えるぼし認定」があります。えるぼし認定は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(女性活躍推進法)に基づき、積極的に女性の活躍を推進する企業を認定する取り組みです。

一方のくるみん認定は、次世代育成支援対策推進法に基づき、子育て支援企業であることを認定する制度です。

えるぼし認定が主に女性の活躍を推進する点を重視するのに対し、くるみん認定は女性従業員だけでなく、男性従業員の育児と仕事の両立サポートにも関連するという点に違いがあります。

このように、両者は適用される法律そのものが異なります。しかしながら、いずれの認定も女性従業員が就業しやすい環境整備に積極的に取り組んでいる企業であることの証明につながるという共通点があります。

今後、認定の取得を目指すのであれば、どちらかを選ぶのではなく、両方の認定取得を目指すと、より多角的に働きやすい企業であることを示せるでしょう。

参考サイト女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)|厚生労働省

関連記事【女性活躍推進法】プラチナえるぼしの認定基準と行動計画の立て方

関連記事【2025年最新】女性活躍推進法とは?導入の背景や企業がすべき取り組み、最新動向を解説!

まとめ

くるみん認定は、厚生労働大臣が認定する、子育て支援に積極的に取り組む企業を示す証です。取得企業が増加傾向にあることからも、その社会的認知度は高まっています。

「くるみん認定」を取得することで、企業は子育てと仕事の両立を支援する環境が整備されていることをアピールでき、優秀な人材の確保や従業員の定着率向上といったメリットにつながります。

もし、貴社がくるみん認定の取得をはじめ、女性を含むすべての従業員が働きやすい職場環境づくりを目指される際には、ぜひ長年の経験とノウハウを持つパソナにご相談ください。貴社の状況に合わせた最適なサポートをご提案いたします。

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