おすすめ特集・コラム 名古屋銀行が実現する「働きがい改革」 誰もがやりがいを持って働ける組織づくりとは ―名古屋で開催された健康経営Meet Up 2026レポート

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 名古屋銀行が実現する「働きがい改革」 誰もがやりがいを持って働ける組織づくりとは ―名古屋で開催された健康経営Meet Up 2026レポート

毎年、全国各地で開催しているパソナの「健康経営Meet Up」。 

「健康経営をもっと身近に、おもしろく」をコンセプトに、企業・団体の健康経営担当者が一堂に会し、組織や業種の垣根を越えて悩みや工夫、やりがいを共有する勉強会型の交流イベントです。 

3年目を迎えた名古屋でのMeet Upでは、東海エリアの30社が参加。 

基調講演では、名古屋銀行 常務執行役員 人材開発部長 兼 健康経営推進室長の鈴木克典氏と人材開発部人事グループ副業務役兼 健康経営推進室の貝瀬繭子氏より、同社が進める働きがい改革と健康経営について紹介されました。 

今日では、健康経営度調査トップクラスの(総合順位1~50位)を維持している同社ですが、健康経営推進室を立ち上げた2022年当初は、懐疑的な声も少なくなかったとのことです。そうした空気を変えたのは、「健康経営は必ず会社の利益につながる」、「健康経営を通じて、将来にわたり活躍し続ける人財の育成する」という強い覚悟と、一つ一つの声に耳を傾け、繰り返し続けた丁寧な説明と着実な施策でした。 

本稿では、名古屋銀行の基調講演をダイジェスト版としてレポートします。 

1.経営計画の中核に据えられた「働きがい改革」 

何のために健康経営を推進していますか?  

鈴木氏の問いかけから始まった講演。 

「従業員の幸せ」、「安心・安全の確保」そんな答えが会場からでました。もちろん、どれも重要です。しかし、それだけでは経営層や従業員を動かすには十分ではありません。 

鈴木氏が2022年健康経営推進室を立ち上げた際、「どうして健康経営が必要なのか」などの懐疑的な声も少なくなかったそうです。そこで鈴木氏が最初に取り組んだことは、健康経営は会社の利益につながる取り組みであることを丁寧に説明し、社内の合意形成を図ることでした。 

同社では2023年から2031年までの経営計画において、健康経営を人的資本戦略の重要課題(マテリアリティ)として位置付けています。やりがいをもって働ける環境をつくる「働きがい改革」を通じて、積極的で温かい組織風土を一層高め、「将来にわたり活躍し続ける人財の育成」を実践しています。 

健康経営推進室は、人材開発部だけでなく、法人営業部や経営企画部など、複数部門からの横断的なメンバーで構成されています。健康や就業に関する全従業員の生の声を集め、健康に関する意識醸成や課題解決に向けた施策を進めています。 

若手の自己効力感、チームの組織効力感を高める 

「働きがい改革」は、働き方だけでなく、仕事のやりがい・楽しさを感じられ、会社に行くことがハッピーな状態をつくる取り組みの総称です。この改革を進める上で重視しているのは、組織効力感です。組織効力感とは、「私たちならできる」とメンバーが感じられる状態です。管理職には、次の2点を特に意識するよう伝えています。 

  • 若手育成においては自己効力感をつくる(=褒める) 
  • チーム運営においては組織効力感をつくる(=全員が活躍できる組織づくりを全員で考える) 

一方で、優しいだけの組織では成果を出すことはできません。効力感とともに重視しているのが、「やり抜く力」です。お客様のためにチームでやり抜いたという成功体験が、さらなる組織効力感の向上につながるとしています。 

ワークエンゲイジメント調査は、年に2回、完全無記名で実施しています。ストレスチェックなどのデータと相関分析を行い、施策に反映しています。その成果として、20代のエンゲイジメントスコアの向上、上司・同僚のサポート偏差値の向上、離職率の減少など、数値面の改善が表れています。 

2.こころとからだの健康づくり 

会いに来てくれる保健師、いつでも相談できる心理士 

健康経営推進室を設置した当初からメンタルヘルスに注力しています。主な施策は以下の2つです。 

一つ目は、保健師による全職場訪問面談です。 

保健師が1年かけて全職場を訪問し、パートも含む全従業員と面談します。健康面の相談は保健師がその場でアドバイスをします。それ以外の悩み(職場環境に関する悩みなど)については、本人の了承を得た上で、産業医や人材開発部に繋ぎ、全面的な改善ができるようにしています。 

本施策を始めて4年目となり、今では「保健師が来るのを待っていた」とい声が出るくらいに浸透しています。以前は診療所に保健師が常駐していたため、誰に相談すればよいかわからない状態でした。保健師自らが従業員に会いに行く方法にしたことで、相談窓口が明確になり、相談しやすい体制が整いました。 

二つ目は常勤心理士による従業員面談です。 

常勤の心理士を採用し、若手従業員に対する職場定着支援、パフォーマンス向上、メンタル不調の予防に主眼に置いた支持的対応を実践しています。支持的対応では、相手の主体性を尊重しながら、必要な支えを提供します。一人で悩みを抱えやすい若手に対し、心理士が「それで大丈夫ですよ」と受け止め、見守ることで、職場定着率が向上しています。 

心理士といういつでも相談できる存在が社内にいるということは、若手だけではなく、全従業員の心理的安全性の向上にもつながっています。 

参加率85%を維持するウォーキングキャンペーンの秘訣 

春・秋に年2回開催しているウォーキングキャンペーンは、からだの健康づくりの柱です。自社の従業員だけでなく、お取引先企業や他県の地方銀行にも参加していただく回もあります。外部の参加者の方ともアプリ上でつながることで、キャンペーンは一層盛り上がります。 

参加率は常に85%以上を維持しています。高参加率の秘訣は、職場単位で参加率を競い合う仕組みです。パートも含めて参加率100%を達成した組織には景品をプレゼントしています。一人では継続が難しい運動も、職場全体で楽しむことができれば継続できます。 

新たな取り組みとしては、2026年2月からPFS(Pay For Success:成果連動型民間委託契約)事業を活用した健康サポートプログラムを開始します。40歳未満で健康管理サポートが必要な従業員を対象に、運動習慣の改善を目指します。 

3. 進化を続けるダイバーシティの取り組み 

活動領域は、DEI&B(ビロンギング)へ 

健康経営、働きがい改革を推進する上で欠かせないのが、DE&Iの推進組織「チームひまわりPlus+」です。活動当初はD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)だけでしたが、2024年にE(エクイティ)を組み込み、2026年4月からはB(ビロンギング)へと活動領域を広げていきます。 

メンバーは公募制で、参加意欲のある従業員が変えたいことを発表し、本部への提言につなげています。前身の「チームひまわり」は「女性活躍」を主軸とするグループでしたが、「チームひまわりPlus+」は、キャリア(中途採用)、若手、ベテランが加わり、4つのグループで活動を行っています。 

提言から具体化された制度としては、フレックスタイム制、ドレスコードフリーがあります。 

女性活躍に関しては、男性育休の推進、女性役員や三菱UFJ銀行の営業職の女性との交流会など、働きやすい環境の整備や女性自身のキャリア意欲の向上を強化しています。 

4. 数値に現れる効果 

健康経営推進室の立ち上げ以来、ワークエンゲイジメント、有給休暇取得など、多くの指標において改善が見られます。 

株価に関しましては、健康経営推進室を立ち上げた2022年度との比較において、3.74倍に上昇しており、健康経営が中長期的な企業価値向上に寄与していると考えています。 

健康経営優良法人といった外部評価は大事ではありますが、あくまで手段であって目的ではありません。健康経営の目的は、従業員が幸せに長く働き、地域から必要とされ続ける企業となることです。 

今後も健康経営をエンジンとして働きがい改革を推し進め、積極的で温かい組織風土を一層高めるとともに、将来にわたり活躍し続ける人財の育成を実践して参ります。 

開催後記:一人一人に寄り添う覚悟が組織の未来を変えていく 

健康経営を通じて、働きがい改革を実現するという強い意志のもと、丁寧に施策を積み重ねていることが伝わってきました。特に保健師や心理士が従業員一人一人に寄り添う体制、そして若手からベテランまで多様な立場の声を施策につなげる「チームひまわりPlus+」の存在は、同社が育んできた温かい組織風土を象徴しているように感じます。 

働きがい改革とは、会社に行くことがハッピーになる職場づくり。 

言葉にするのは簡単ですが、その実現は並大抵のことではありません。しかし、鈴木氏のリーダーシップの下、組織効力感を高めながら着実に前へ進む同社の姿勢は、多くの参加者の皆様にとって、大きな学びとなったとともに勇気を与えるものになったと思います。 

働きがい改革が、これからどのように深化し、従業員と地域にどんな未来をもたらすのか。 

引き続き注目するとともに、微力ながらパソナもお力になれるよう努めて参ります。 

パソナの健康経営支援サービス

健康経営の推進に向けた各種サービスの全体像や課題解決事例をまとめました。パソナの健康経営支援サービスを分かり易くご紹介します。

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健康経営を推進『保健師活用事例集』

保健師は健康診断からメンタル対応、健康経営の見直し・改善まで、幅広い業務を担っています。パソナでは現状の体制や課題に応じて、マッチする人材・配置のご提案が可能です。

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この記事を書いた人

パソナ・健康経営コラム編集部

パソナ・健康経営コラム編集部

健康経営・産業保健の推進パートナーとして健康経営の「着実な一歩」を伴走サポートするパソナが運営しています。
企業のご支援経験だけでなく、パソナ自身が健康経営銘柄に初選出、ホワイト500を9年連続取得する過程で得たノウハウを踏まえ、皆様のお役に立つ情報を発信しています。

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