おすすめ特集・コラム賞与の納得性を高める1on1ミーティングのコツ|評価面談との違いと実践ポイント

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賞与の納得性を高める1on1ミーティングのコツ|評価面談との違いと実践ポイント

賞与は、従業員の努力や成果に報いる重要な仕組みです。 

しかし実際には、「思ったより低かった」「何をもって評価されたのかわからない」といった不満が生じることも少なくありません。 

こうした不満の背景にあるのは、単純な金額の問題だけではありません。評価基準が見えない、日頃の頑張りがどう反映されたかわからない、面談で十分な説明がない――こうした状態が重なると、賞与に対する納得感は下がります。民間企業の賞与は、支給時期や支給額、査定項目などを各社が独自に定めており、だからこそ「どう伝えるか」「どう日常対話につなげるか」が重要になります。 

そこで見直したいのが、上司と部下の1on1コミュニケーションです。 

1on1は本来、部下の成長支援や信頼関係の構築を目的とした定期的な対話の場であり、評価面談とは役割が異なります。一方で、日常的な1on1が適切に運用されている組織では、評価や処遇の“突然感”を減らしやすくなります。結果として、賞与に対する納得性の向上にもつながります。 

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なぜ賞与に「納得できない」が起きるのか 

賞与への不満は、必ずしも「低いから」だけで起こるわけではありません。 

従業員が不満を抱きやすいのは、主に次のようなケースです。 

  • 評価基準が曖昧で、何を見て判断されたのかわからない 
  • 日常の業務で受けていたフィードバックと、最終評価の印象が一致しない 
  • 上司との対話が少なく、評価の途中経過が共有されていない 
  • 強みや改善点が具体的に言語化されず、次の行動につながらない 

評価面談の納得感を高めるには、能力評価・情意評価・業績評価といった要素をバランスよく捉え、事実に基づいて伝えることが重要とされています。つまり、最終面談の場だけを整えても不十分で、普段から評価の土台になる対話が必要です。 

さらに、年2回賞与を支給する企業では、夏賞与の査定期間が10月〜3月、冬賞与が4月〜9月となるケースが多く、従業員から見れば「数カ月前の行動や成果」が賞与に反映されます。そのため、査定期間中に何が評価対象なのか、どう見られているのかが共有されていないと、支給時に納得しづらくなるのです。 

1on1は賞与面談の代わりではない 

ここで注意したいのが、1on1と評価面談は同じではないという点です。 

1on1は、週1回〜月1回など比較的高頻度で行われ、部下の成長支援や信頼関係の構築、悩みや課題の把握を目的に実施されます。一方、評価面談は四半期や半期ごとなど節目で行われ、評価結果や目標進捗を確認する場です。つまり、1on1をそのまま査定の場にしてしまうと、本来の役割が損なわれ、部下が本音を話しにくくなるおそれがあります。 

では、なぜ1on1が賞与の納得性向上に有効なのでしょうか。 

答えは、評価を告げる場ではなく、評価に至るプロセスを共有する場として機能するからです。 

日常的な1on1を通じて、上司が部下の行動、成果、課題、努力のプロセスを把握し、その都度フィードバックできていれば、賞与支給時の説明も「初めて聞く話」にはなりにくくなります。従業員にとっては、結果だけでなく経緯が見えるため、納得感が生まれやすくなります。 

関連記事:1on1ミーティングの目的とは?メリットや実施ポイントを紹介

賞与の納得性を高める1on1ミーティングのコツ 

賞与に対する不満や評価への不信感は、金額そのものよりも「なぜその評価になったのかが分からない」ことから生まれるケースが少なくありません。 

従業員の納得感を高めるためには、査定時だけでなく、日頃の1on1を通じて期待役割や評価基準をすり合わせ、行動や成果を継続的に共有することが重要です。下記に注意すべきポイントを6つ挙げました。 

1. 評価基準を“面談のときだけ”出さない 

賞与の納得感を下げる典型例は、評価面談のタイミングで初めて基準や期待役割が示されることです。 

1on1では、今期の期待役割、重視される成果、行動面で見ているポイントを、都度すり合わせることが重要です。 

特に、数値目標だけでなく、周囲との連携、主体性、改善提案といった定性的な観点もある場合は、「何をどう見ているか」を具体的に言葉にする必要があります。評価基準が曖昧なままだと、従業員は結果を受け取っても納得しにくくなります。 

2. 結果だけでなく、行動とプロセスを記録しておく 

賞与は最終成果だけで決まるわけではありません。多くの企業では、勤務状況や成果、能力、組織への貢献度など複数の観点が査定要素になります。そのため1on1では、成果が出たかどうかだけでなく、どんな工夫をしたか、どのような行動変化があったかも把握しておくことが大切です。 

たとえば、「新規案件を受注した」だけでなく、 

  • 「関係部署を巻き込みながら提案の質を高めた」 
  • 「トラブル時に先回りして調整した」 

といった具体的な行動まで残しておくことで、評価の説明がしやすくなります。 

3. フィードバックは“まとめて”ではなく“こまめに”伝える 

フィードバックを期末にまとめて伝える運用では、本人にとって改善機会が失われやすくなります。 

1on1は、タイムリーにフィードバックを行うための場として有効です。PASONAの関連コラムでも、1on1は部下理解や信頼関係構築に役立つとされ、ポジティブフィードバックも具体的に伝えることが重要と示されています。 

特に賞与の納得感を高めたいなら、良かった点だけでなく、「次回はここを改善すると評価につながりやすい」といった未来志向の伝え方が有効です。期末の結果通知ではなく、査定期間中の支援としてフィードバックすることが、納得感の土台になります。 

4. 「あなたはどう感じているか」を聞く 

賞与の説明をしても、従業員が本当に納得しているとは限りません。 

一方的に話して終えるのではなく、1on1の中で「今の役割期待をどう受け止めているか」「評価されている実感はあるか」「どこにギャップを感じるか」を確認することが大切です。 

1on1は本来、部下主体の対話がしやすい場です。仕事に限らず、迷いや不安、キャリアの見通しまで含めて話せるからこそ、評価に対する違和感も早めに拾いやすくなります。PASONAの1on1関連記事でも、1on1は評価の場ではなく、部下理解とサポートのための場として位置づけられています。 

5. 賞与の話を“金額の話”だけにしない 

賞与面談になると、どうしても支給額に意識が向きがちです。 

しかし、納得性を高めるには、金額だけでなく、 

  • 今回どのような点を評価したのか 
  • どこが期待水準に届かなかったのか 
  • 次の査定期間では何を意識するとよいのか 

までセットで伝える必要があります。 

評価面談に必要なのは、能力・情意・業績の各要素をバランスよく扱い、事実ベースで説明することです。結果だけを通知するのではなく、「評価のストーリー」を共有することで、従業員は自分の行動と処遇のつながりを理解しやすくなります。 

6. 1on1の内容を査定に直結させすぎない 

賞与の納得性を高めたいからといって、1on1をすべて評価材料収集の場にしてしまうのは逆効果です。 

部下が「この発言は査定に響くかもしれない」と感じると、相談や内省が浅くなり、本来の1on1の価値が失われます。 

重要なのは、1on1で得た気づきを、育成と支援に活かすことです。 

評価そのものは制度上の基準に基づいて行い、その過程でズレや不安を減らすために1on1を活用する。この距離感が、信頼関係を損なわずに納得感を高めるポイントです。 

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上司任せにしないために、人事が整えるべき3つのこと 

賞与の納得性を高めるうえでは、現場の上司個人のコミュニケーション力だけに依存しない設計も必要です。 

1. 1on1で確認すべき観点をそろえる 

完全な自由面談にすると、上司によって品質差が出やすくなります。 

進捗、成果、行動、困りごと、キャリア希望など、最低限の確認項目はそろえておくと運用しやすくなります。 

2. フィードバックの型を共有する 

ポジティブフィードバックや、行動ベースで伝える型があると、面談の質が安定します。PASONAの1on1関連記事でも、管理職側のスキルや具体的な進め方が重要な論点として扱われています。 

3. 賞与を“定着・キャリア支援”の文脈でも捉える 

賞与の不満は、単発の処遇問題ではなく、エンゲージメントや離職意向にもつながり得ます。PASONAのキャリア支援資料でも、年代別にキャリア自律や定着率向上のための施策が整理されており、制度運用を個別の面談だけで終わらせない視点が重要です。 

まとめ 

賞与の納得性を高めるには、支給時にうまく説明するだけでは足りません。 

査定期間中から、期待役割や評価基準を共有し、行動や成果を具体的にフィードバックし、本人の受け止め方も確認する。こうした日常的な1on1コミュニケーションの積み重ねが、結果として賞与への納得感につながります。 

1on1は評価面談の代替ではありません。 

しかし、評価や処遇の“納得できない”を減らすための土台にはなります。人事と現場が役割分担しながら、1on1を育成と対話の場として機能させることが、賞与制度への信頼を高める第一歩といえるでしょう。 

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