おすすめ特集・コラムグローバル採用とは?メリット・デメリットや成功ポイント、人的資本経営における重要性について紹介
更新日:2025.10.16
- 人材紹介(中途採用支援)
グローバル採用は、国籍や居住地を問わず世界中から人材を確保する取り組みです。少子高齢化により日本の労働人口が減少するなか、特にITや先端技術分野では深刻な人材不足が続いています。
そこで注目されているのが、世界規模での人材獲得を目指すグローバル採用です。
本記事では、グローバル採用の定義や背景、メリット・デメリット、成功のポイントまでを詳しく解説します。
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グローバル採用とは?
グローバル採用の定義と注目されている背景について紹介します。
国籍・居住地を問わず世界から人材を採用すること
グローバル採用とは、国籍や居住地を問わず、世界中から人材を確保するための戦略的な取り組みです。
単に外国籍の人を雇う「外国人雇用」とは異なり、企業の競争力を高める経営戦略の一環として位置づけられています。
主な採用の方法は、日本拠点での外国人採用、海外現地法人での採用、リモートを前提とした越境採用の3つです。
本記事では、日本拠点での外国人採用をメインに解説していきます。
グローバル採用が注目されている背景
グローバル採用が注目される背景には、日本企業が直面する深刻な人材不足と、事業のグローバル化・世界展開により、経済的な競争激化が起こっている状況があります。
少子高齢化による生産年齢人口の減少により、国内の人材育成が需要に追いついていません。実際に総務省の調査によると、日本の生産年齢人口は1996年から現在まで減少し続けており、2050年には5,275万人に減少する(2021年から29.2%減少)と予測されています。
同時に、企業の事業はますますグローバル化しており、現地市場に対応できる多様な人材が欠かせません。
こうした状況下で、グローバル採用は人材不足を補うだけでなく、イノベーションの創出や市場競争力の強化を実現する戦略的な投資としても位置付けられています。
参考: 総務省「第1部 特集 情報通信白書刊行から50年~ICTとデジタル経済の変遷~」
グローバル採用のメリット
グローバル採用がもたらす企業への具体的なメリットは、以下のとおりです。
● 優秀で多様な人材を確保できる
● 海外市場への展開・対応力が強化できる
● 新たな視点でイノベーションが生まれる
● 社内のダイバーシティ推進による企業価値向上が期待できる
それぞれのメリットについて解説します。
優秀で多様な人材を確保できる
グローバル採用を行うメリットは、国内市場だけでは出会えない優秀な人材に世界規模でアクセスできることです。
日本では少子高齢化の影響もあり、人材不足が深刻化しています。特に専門スキルや多様なバックグラウンドを持つ人材は限られており、採用競争も激しくなっています。
一方で海外には多様な人材が豊富に存在しており、グローバル採用を通じて確保することで、企業は新しい視点やスキルを組織に取り込むことが可能になります。
また、多言語対応が必要なサービス開発では、ネイティブスピーカーかつ技術者を採用することで、品質とスピードを同時に高めることが可能です。
こうした人材を確保することで、企業は技術力の底上げや新規事業の創出を実現しやすくなり、市場競争力やブランド価値の向上につながります。
海外市場への展開・対応力が強化できる
グローバル採用によって、現地市場に詳しい人材を採用できることもメリットの1つです。
海外進出に挑む企業のなかには、商習慣や消費者行動を十分に理解できず、思うように成果を出せないケースがあります。そこで、言語や文化を熟知した人材を採用すれば、参入リスクを軽減しながら事業をスムーズに進められるでしょう。
例えば、現地で実績のある営業担当やマーケティング専門家を迎えることで、流通ルートや価格設定を市場に即した形で設計できます。
その結果、事業の展開スピードや成功率を高めることが可能です。
新たな視点でイノベーションが生まれる
グローバル採用によって、多様な文化や価値観を持つ人材を組織に迎えることで、イノベーションを生み出す土台を築きます。
同じ国籍や背景の人材だけでは発想が似通いがちですが、多国籍のチームでは視点が広がり、従来にない解決策や新しいアイデアが生まれやすくなります。
こうした多様性が刺激となり、独創的な商品やサービスの開発につながるでしょう。結果として、企業は競争力を高め、持続的な成長を実現できるのです。
社内のダイバーシティ推進による企業価値向上が期待できる
グローバル採用は、社内のダイバーシティ推進を加速させ、企業価値の向上につながります。
ダイバーシティ推進とは、国籍・性別・年齢・文化的背景などの違いを尊重し、多様な人材が力を発揮できる環境を整える取り組みのことです。
多様な人材が活躍する環境は、投資家や顧客、求職者から「将来性のある企業」として評価されやすく、ブランドイメージの強化にも直結します。
さらに、従業員のエンゲージメントを高め、優秀な人材の定着や新たな人材の獲得にもつながるでしょう。
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グローバル採用のデメリット
グローバル採用を導入する際に、企業が直面する主な課題とデメリットは、以下のとおりです。
● 言語・文化の違いによるコミュニケーション課題
● 採用やビザ申請の手続きが煩雑
● 育成や研修にコストと時間がかかる
それぞれのデメリットについて解説します。
言語・文化の違いによるコミュニケーション課題
グローバル採用のデメリットは、言語や文化の違いによって意思疎通が難しくなることです。
日本の職場には「報・連・相」や根回しなど、暗黙のルールが数多く存在し、外国人社員にとって理解しづらい部分があります。
また、日本語がある程度話せても、技術的な議論や微妙なニュアンスのやり取りは難しい場合があり、逆に日本人側も英語での対応に不安を抱えることがあるでしょう。
こうした言語や文化による違いが誤解を生み、仕事の協力関係に影響するケースもあります。
そのため、実務で必要なレベルに応じた言語要件の明示や、異文化コミュニケーション研修を取り入れることが重要です。
関連記事:コミュニケーションコストとは?高い組織の特徴と問題点、削減方法を解説
採用やビザ申請の手続きが煩雑
グローバル採用には複雑な在留資格の手続きが伴い、申請の遅れや不許可といったリスクがあります。
ビザ申請時には職務内容を説明する書類、会社の財務資料、雇用契約書などの準備が必要になります。特に中小企業では事業の安定性を証明するために、決算書類や事業計画書の提出を求められることもあり、負担が大きくなりがちです。
そのため、必要に応じて行政書士など専門家のサポートを受けながら、ゆとりのあるスケジュールを組むことが必要です。
育成や研修にコストと時間がかかる
海外人材を戦力化するには、通常以上の研修やサポートが必要で、時間もコストもかかります。
具体的には、渡航費や住居費などの初期費用に加え、日本語研修や文化適応のためのオンボーディング体制も整える必要があります。
さらに、既存社員がメンターやバディとして関わる場合、その分の時間的コストも考慮しなければなりません。また、文化に慣れるまで想定以上の時間がかかるケースもあります。
グローバル採用は、短期的な負担は大きいものの、長期的な視点で投資と捉えることが大切です。
関連記事:メンター制度とは?目的とメリット・デメリット、その他のサポート制度も解説
グローバル採用を成功させる5つのポイント
グローバル採用を成功させるために、企業が取り組むべき具体的なポイントについて紹介します。
● 採用目的と求める人物像の明確化
● 異文化を受け入れる社内体制の整備
● キャリアパスや評価制度の透明化
● ダイバーシティマネジメントの実践
● 信頼できる人材紹介会社の活用
各ポイントについて解説します。
採用目的と求める人物像の明確化
グローバル採用を成功させるために重要なのは、なぜその人材が必要なのか、どのような成果を期待するのかを明確にすることです。求める人物像があいまいな状態では候補者とのミスマッチが生じ、早期離職につながる可能性があります。
例えば「海外市場での売上を1年以内に20%拡大する」といった具体的な成果目標を設定することで、候補者も役割を理解しやすくなります。
また、言語要件は「技術文書は英語、会議は日本語能力試験N2レベル」など、実務に必要な基準を明記することが大切です。
事業部と人事が連携して、採用前に役割やキャリアパスを文書化することで、グローバル採用の成功率が高まります。
関連記事:「ミスマッチ」の意味とは?企業がとるべき対策を解説
異文化を受け入れる社内体制の整備
外国人社員が力を発揮するには、既存社員が異文化を理解し、協働しやすい環境を整える必要があります。日本独特の「察する文化」や「根回し」といった慣習は、説明がなければ誤解を生む要因になります。
そのため、管理職を対象とした異文化研修や「やさしい日本語」での会議運営、多言語対応の資料作成が有効です。また、メンターやバディ制度を導入し、相談できる仕組みをつくることで外国人社員の孤立を防げます。
さらに、社内ツールや連絡事項を英語と日本語の両方に対応させるなど、情報格差をなくす工夫も重要です。採用前から受け入れ体制を整えておくことで、外国人社員が定着しやすくなるでしょう。
キャリアパスや評価制度の透明化
グローバル人材を長期的に活躍させるには、将来のキャリアや評価制度を明確に提示することが欠かせません。日本型の年功序列や曖昧な基準は、実力主義に慣れた外国人社員に不満を与える場合があります。
基準の透明化には、入社時に5年間のキャリアパスや昇進基準を示し、四半期ごとの目標設定や360度評価を導入する方法がおすすめです。360度評価とは、従来の上司や人事担当者からの評価だけではなく、同僚や部下など複数人で評価をする制度のことです。
このように、キャリアの見通しと公平な評価基準を整えることが、グローバル人材の定着と成長につながります。
関連記事:CDP(キャリアデベロップメントプログラム)とは?意味や導入方法、人事が行うべき施策を解説
ダイバーシティマネジメントの実践
多様な人材の力を活かすためには、グローバル採用を単なる採用活動にとどめず、組織の強みに変える取り組みが必要です。
文化や価値観の違いを活かし合える環境を整えることで、イノベーションが生まれやすくなります。例えば多国籍チームでの開発プロジェクトから新しいサービスが誕生したり、海外の感性を取り入れた商品が市場で成功したりするケースもあります。
さらに、宗教や文化に配慮した礼拝スペースの設置や、柔軟な休暇制度、食事の選択肢を用意するなどの工夫も有効です。
ダイバーシティマネジメントの取り組みは、ESG評価や投資家からの評価にもつながり、企業価値の向上を後押しします。
ダイバーシティマネジメントの重要性については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:女性活躍推進をはじめとしたダイバーシティマネジメントの重要性とパソナの施策事例
信頼できる人材紹介会社の活用
グローバル採用の成功には、専門知識を持つ人材紹介会社との連携が欠かせません。各国の転職慣習や給与水準は異なり、在留資格の手続きも複雑です。
そこで、経験豊富な人材紹介会社を活用することで、候補者の質を高め、手続きの遅延や不許可のリスクも軽減できます。
人的資本経営におけるグローバル採用の重要性
人的資本経営の観点から、グローバル採用が果たす戦略的役割について紹介します。
人的資本の価値向上に向けた多様性の確保
人的資本経営においてグローバル採用は、人材という資本の価値を高めるための重要な戦略です。人的資本経営とは、人材を単なるコストではなく、企業の成長を支える資本として捉える経営方針を指します。
グローバル採用を進めることで、異なる教育背景や経験、スキルを持つ人材を組織に取り入れられ、企業全体の人材構成をよりバランスよく強化することが可能です。
結果として、新しい発想や高度な専門性が組織に蓄積され、長期的な競争力の向上につながります。
ダイバーシティ&インクルージョンによる人的資本開示の強化
グローバル採用を通じた多様性の推進は、人的資本開示の質を高め、投資家からの評価を向上させます。
近年はESG投資が重視され、特にダイバーシティ&インクルージョンへの取り組みは投資判断の大きな基準になっています。
ダイバーシティ&インクルージョンとは、国籍・性別・年齢・障がいの有無・価値観など、多様な人材を受け入れ、その力を十分に発揮できる環境を整えることです。
2023年からは大手企業に人的資本の情報開示が義務化され、従業員の多様性やエンゲージメントなどのデータ公開が求められています。外国籍社員比率や多言語対応人材の数を示すことは、企業の本気度を伝える具体的な証拠となります。
こうした取り組みは、国内外の投資家からの信頼獲得につながり、企業価値をさらに高められるでしょう。
関連記事:DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)とは?概念を解説
グローバル採用で企業の競争力を強化しよう
グローバル採用は、人材不足を補うだけでなく、企業の競争力を高める戦略的な投資です。世界中の専門人材を確保することで、事業の成長や海外展開の加速、イノベーションの創出につながります。
一方で、言語や文化の違い、ビザ申請の複雑さ、研修コストなど課題も存在します。成功の鍵は、採用目的の明確化や社内体制の整備、信頼できる人材紹介会社との連携です。
長期的に見れば、グローバル採用は人的資本の強化と企業価値向上を実現する重要な手段となるでしょう。
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