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アウトソーシングと派遣の違い メリット・デメリットと活用のポイント

近年、少子高齢化による労働人口の減少や、事業の多角化、競合他社との差別化などに対応するため、アウトソーシング(業務委託)を導入する企業が増えています。既に多くの企業で導入されている「人材派遣」とはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれのメリット・デメリットとともに、アウトソーシングと人材派遣の違いや、向いている業務を解説します。

アウトソーシング(業務委託)とは?

アウトソーシングとは?

アウトソーシングとは、「out(外部)」と「sourcing(資源利用)」が合わさってできた和製英語で、外部に業務を任せる「業務委託」を表す言葉です。

社内業務の負担軽減や専門的知識や技術を要する業務の品質向上などの効果を期待し、大企業のみならず、中小企業でも導入が進んでいる業務形態です。アウトソーシングの導入は、“企業競争力の強化”や、“多角化経営への参入”、“コスト配分の最適化”など、多くのメリットがある一方、“委託業務のノウハウを自社蓄積できない”、“社内情報を外に出すことによるリスク”などのデメリットもあります。

企業側では、こうしたメリット・デメリットを理解し、業務委託をする範囲や委託方法を慎重に選定し、安全かつ効率的にアウトソーシングを利用していく必要があります。

人材派遣とは?

人材派遣とは?

人材派遣とは、派遣元の企業から派遣先企業へ人材を派遣し、労働力を提供する業務形態です。人材派遣は大きく分けて3つに分類されます。

1.「登録型派遣」

派遣スタッフと派遣元企業の間で雇用契約が結ばれ、派遣先企業での労働が行われている間の給与が派遣元企業から支払われる派遣形態です。

2.「紹介予定派遣」

派遣先に直接雇用されることが前提で、派遣期間中に派遣先と派遣スタッフの双方の合意によって直接雇用に切り替えることができる派遣形態です。

3.「常用(無期)雇用型派遣」

派遣元企業が派遣スタッフを無期限で直接雇用し、派遣元企業の社員として派遣先企業で勤務させる形態です。派遣元企業は派遣先の有無にかかわらず、スタッフの雇用を保障します。

アウトソーシング(業務委託)と派遣の大きな違いは?

業務委託
人材派遣

「アウトソーシング」「人材派遣」ともに、社外の労働力を利用するという共通点がありますが、実はこの2つには大きく異なる点があります。それぞれの違いを理解し、適切な人材活用をすることが最適な業務運用を可能にし、ひいては業務の生産性を高め、企業の利益向上を目指すことができます。

契約先はどこか?

「アウトソーシング」では、企業(発注者)とアウトソーシング会社(受託者)とが契約を交わし、アウトソーシング会社は企業に委託された業務を行います。業務を遂行するスタッフは、アウトソーシング会社と雇用契約を結び、アウトソーシング会社の定めた場所で企業(発注者)の業務を行います。

一方、「人材派遣」では、派遣先企業(発注者)と人材派遣会社(受託者)が派遣契約を結び、最適な人材を提供します。業務を遂行する派遣スタッフは、人材派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業(発注者)に派遣され、業務を行います。

業務の指示は誰が出すか?

「アウトソーシング」では、アウトソーシング会社がスタッフに対して業務指示を行います。
人材や労働力だけでなく、それに付随する技術や専門知識、業務に必要なシステムに至るまで、アウトソーシング会社の持つ全てのノウハウを駆使し、委託された業務を遂行します。

一方「人材派遣」では、派遣スタッフが直接派遣先企業へ派遣され業務を行うため、業務の指揮命令は、派遣先企業の社員が行います。

何によって対価が支払われるのか?

「アウトソーシング」では、アウトソーシング会社が企業より委託された業務(プロジェクト)が完了し、納入した段階や、契約上で定めた条件を満たした場合に対価が発生します。多くは、1つの業務(プロジェクト)単位で報酬額が決まり、支払われます。

一方、「人材派遣」では、派遣スタッフが、派遣先の指揮命令を元に業務を遂行することで派遣料金 が発生します。賃金は時給換算で働いた時間に準じて計上されます。

アウトソーシング(業務委託)のメリット・デメリット

メリット デメリット
  • 社内リソースを必要業務に集約できる
  • コストを削減し、利益向上に繋げる
  • 業務対応の柔軟性
  • 社内に知見がたまりにくい
  • 管理がしづらい

なぜ、今アウトソーシングが活用されているのか。アウトソーシングの導入が企業にもたらすメリット・デメリットをご紹介します。

メリット1 社内リソースをコア業務に集約できる

企業では、アウトソーシングを活用し、定型化しやすいノンコア業務を外部に委託することで、社内の技術やノウハウといった有効なリソースを、利益に直結するコア業務に集約させることができます。これにより、顧客や取引先へより良いサービスを提供することができるようになり、利益向上につながります。

メリット2 コストを削減し、利益向上に繋げる

アウトソーシングの導入により、企業が人材を雇用する際にかかる採用コスト・教育費といったコストを削減し、リソースを有効活用することで、企業の利益向上へと繋げることができます。ビジネス領域の拡張による新規分野への参入や季節的なプロジェクト、自社にリソースのないIT推進などの専門性の高い業務や集中的にリソースが必要になるケースなどで、アウトソーシングを活用していく企業も増えています。

メリット3 業務対応の柔軟性

上記に述べたような新規参入分野などの専門性の高い業務は、自社のリソースだけでは賄えないケースもあります。しかしそのたびに人員や設備を拡張していては、時間もコストもかかります。このような専門の知識やノウハウを必要とする業務には、そもそもその分野に知見があり、効率的に業務を遂行できるアウトソーシングの活用が企業の生産性を高めます。

デメリット1 社内に知見がたまりにくい

アウトソーシングの活用は、ノンコア業務を効率的に遂行する、あるいは専門性の高い業務遂行に向いている反面、外部に業務を委託することで、社内リソースに知識や技術、経験が蓄積されにくいのが課題となります。万が一、企業の重要業務を担当しているアウトソーシング会社が撤退した場合、企業のサービスを継続できなくなるリスクが伴います。業務の遂行を進めながらマニュアルの整備や委託業務の遂行状況を定期的に確認することが必要となります。

デメリット2 管理がしづらい

アウトソーシングでは、企業側が発注した業務は、その進行や指揮管理に至るまで、委託先が行うことになります。そのため、プロジェクトの完了・納入までの期間、企業が業務内容を把握しづらく、ミスや情報漏洩などに気がつきにくいといったリスクが伴います。特に、企業とアウトソーシング会社との付き合いが浅い場合は、業務の進捗確認など、密なコミュニケーションが必要となります。

アウトソーシングについては、こちらの記事もご参照ください。
「アウトソーシングとは?メリット・デメリットや自社に適した種類、業務、導入の注意点を解説」

人材派遣のメリット・デメリット

メリット デメリット
  • 必要な時に必要なスキルを持つ人材を確保できる
  • 業務管理が行いやすい
  • 情報セキュリティ管理が行える
  • 管理に社内リソースが必要になる
  • 期間や業務内容のしばりがある

メリット1 必要な時に必要なスキルを持つ人材を確保できる

人材派遣会社には、さまざまな知識やスキルをもつ人材が登録されているため、必要な人材をスピーディーに確保できます。急な欠員や季節的な繁忙期でも、空席ポジションの発生期間を最小限に抑え、業務を継続させることができます。

メリット2 業務管理が行いやすい

人材派遣スタッフは、企業の就業ルールにのっとって業務を遂行するため、業務の指揮命令は派遣先社員が行います。現場で直接コミュニケーションを取ることで、作業の進捗確認ができ、伝達の行き違いを防ぐことができるため、業務管理が行いやすくなります。

メリット3 情報セキュリティ管理が行える

人材派遣では、派遣スタッフが企業に派遣され、社内で業務を行います。そのため、企業のリソースや情報を外部に持ち出すことが無く、従来のセキュリティ管理を継続できるため、情報管理がしやすくなります。

デメリット1 管理に社内リソースが必要になる

人材派遣では、派遣スタッフと派遣元企業とで雇用契約が結ばれますが、派遣先企業でも、派遣スタッフの労働時間や労働環境、健康管理やスタッフ育成といった労務管理に社内リソースを使う必要があります。

デメリット2 期間や業務内容のしばりがある

派遣元企業と派遣先企業とが、派遣契約を結ぶ際には、あらかじめ派遣スタッフが従事する業務内容を具体的に定める必要があります。そのため契約の範囲外となる業務を依頼することができません。
また、派遣契約は、数か月単位で契約期間を定め、その都度更新確認を行うため、派遣先が意図していないタイミングで契約満了を迎えてしまう場合があります。長期的・重要なプロジェクトなどで派遣を活用する場合には注意が必要です。

アウトソーシングに向く仕事、人材派遣が向く仕事

業務を一括して委託し、現場の指揮命令も任せてしまうアウトソーシングと、人材を適材適所に提供する人材派遣では、それぞれに得手不得手が違います。無理な導入で、作業効率を悪くすることが無いよう、どのような分野の業務が適しているのかを把握しておきましょう。

アウトソーシング(業務委託)に向いている仕事とは?

1つの業務を一括して外部へ委託するアウトソーシングの形態が向いている仕事は、ルーティーン化されている業務や、マニュアルの作成などで定型化しやすい業務、専門性が高い業務、中長期的に安定させたい業務をとなります。

定型化しやすく単純作業の多い「経理」「事務」「コールセンター」などの業務は、アウトソーシングしやすく、多くの企業が導入しています。また、圧倒的に実務経験が求められる「人事」や「労務管理」、専門的な知識が求められる「IT関連」など、社内のリソースでは対応が難しい業務も、アウトソーシングに向いている業務と言えます。

人材派遣に向いている仕事とは?

人材を派遣し、労働力を提供する人材派遣の形態が向いている仕事は、スキルのある人材を確保したい企業の仕事や、ルールの変更やイレギュラーが発生しやすい業務、繁忙期など流動的な人数の増減がある業務や、社員との密なコミュニケーションが必要な業務となります。

社員と直接のコミュニケーションが求められる「販売」「接客」業務、社員との意見交換が密になる「企画」「研究開発」業務、企業の経営戦略にも関わる「マーケティング」などは、人材派遣に向いている業務と言えます。

向き不向きは企業の状況によっても異なる

上記であげたような業務については、必ずしもアウトソーシングのほうが良い、人材派遣が良いとは限りません。企業の業態や、体制、業務量によっても、変わってきます。
まずは外部のリソースを使いたいと考えている業務に必要なリソースやスキル、コミュニケーション量なども踏まえて検討することが必要になります。

どちらを使う? 活用のポイントは?

どちらを使う? 活用のポイントは?

業務の生産性を高め、効率化を図るためには、アウトソーシング・人材派遣の導入、どちらを選択し、どのように活用したらよいのか、ポイントを解説します。

業務改善か? リソース確保か?

企業では、社内リソースの不足が生じた際に、業務遂行に必要な“課題の把握と分析”をし、現行の業務を改善するのか、リソースを確保するのか選択します。業務の根本を見直し、品質向上を図るのであれば、専門性の高い、委託業務分野に知見のある企業へのアウトソーシングの導入が効果的です。反対に、早急にリソースを確保したい、採用や教育に時間がかけられない状況や、期間限定的なリソース確保を目指すなら、人材派遣の導入がおすすめです。

社内に知見を集約したいか?

IT分野など専門性の高い業務には、アウトソーシングを選ぶ企業が多い傾向にありますが、アウトソーシングでは、社内知見の向上は期待できません。このような課題を解決するなら、専門スキルを持つ人材の派遣を活用し、派遣スタッフとともに、社内スタッフの知見やノウハウの向上を目指すのも良いのではないでしょうか。

管理方法が確立できているか?

社内業務の負担軽減や、品質向上を目的として、アウトソーシングを導入する場合、企業とアウトソーシング会社とで管理の方法が確立できていることが重要になります。アウトソーシングする業務内容、指導教育・報告や連絡の管理・情報セキュリティの対策・委託期限などを明確にし、効率的な業務委託を目指しましょう。

アウトソーシング、派遣会社 どう選ぶ?

社内に求められているニーズが明確となり、アウトソーシング・人材派遣の導入を決定したら、信頼して業務を任せられる委託先の選択をしていきましょう。

事例や実績をチェック

自社のサービスや業務内容が、専門的であればあるほど、パートナーとなる受託企業を見つけるのは難しくなります。委託先の得意とする分野がどこなのか、過去の事例や実績はどうかといった点を見極めていきましょう。

自社のニーズにあった企業かどうか

パートナーとなる委託先選びは、企業の経営戦略や業績にも関わる重要な項目です。口コミや評判だけでなく、自社の課題に対して、最適なソリューションが提供できるのかを、受託先の担当者に直接確認しましょう。

パソナの法人向けサービスは?

パソナの法人向けサービスでは、人材派遣だけでなく、トータルソリューションのご提案、BPOコンサルタントによる業務調査からプロセス設計、体制の構築やアウトソーシングの運用・改善まで、企業様のニーズに合わせて、最適な人材と、業務形態の組み合わせで、業務をサポートしています。
アウトソーシング・人材派遣にお悩みの企業様は、弊社BPOサービス・人材派遣サービスをご活用ください。アウトソーシングと人材派遣の違いについて、より詳しく解説したホワイトペーパーはこちらからダウンロードいただけます。

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