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女性活躍推進にメンター制度が効果的な理由と導入ステップ 

先輩社員が後輩社員のサポートを行うメンター制度。若手の離職防止施策としてのイメージが強くありますが、実は女性活躍推進にも有効な人事施策です。

本記事では、女性活躍推進におけるメンター制度の効果と導入方法を解説します。女性活躍推進に取り組みたい人事の方はぜひご確認ください。

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メンター制度とは

メンター制度とは、一般的には社内の年齢や在籍年数の近い先輩社員(メンター)が後輩社員(メンティー)のサポートや育成を行う制度で、メンタル面のケアを含む点が特徴です。メンターは定期的に面談(メンタリング)を行い、メンティーの悩みや人間的な成長をサポートし、精神的な支えとなる役割を担います。

メンティーが率直に悩みを話せるよう、メンターは他部署の先輩のようにメンティーと利害関係のない人材が望ましいとされています。また、社外の専門家をメンターにすることもあります。

OJT、エルダー制度、コーチングとの違い

OJT(On-the-Job Training)、エルダー制度、コーチングなども社員の個別支援制度ですが、メンタル面のケアや自発的な問題解決を重視するメンタリングとは、目的が異なります。

OJTとエルダー制度は、同じ部署の先輩が実務を通じて後輩を教育する方法です。OJTのなかでもエルダー制度は、新卒入社の社員に対してより年次の近い先輩社員がサポートします。コーチングでは部署等に関係なく、目標達成に向けた具体的な支援を行います。

女性活躍推進におけるメンター制度の重要性

メンター制度は新卒社員の定着を目的に用いられるイメージがありますが、女性活躍推進においても有効です。ここでは、女性活躍推進の施策としてメンター制度が重要な理由を解説します。

女性活躍推進の現状と課題

令和5年度の​​雇用均等基本調査では、課長相当職以上(役員含む)の女性比率は12.7%に留まっており、管理職に占める女性の割合は低い状況です。

出典厚生労働省 | 令和5年度雇用均等基本調査 | 「役職別女性管理職等割合の推移(企業規模10人以上)」のグラフより抜粋

女性のキャリア形成上の課題には、育児との両立を含めた多様なロールモデルの不足やキャリアについて相談できる場がないこと、昇進に対する不安を抱えやすいことなどが挙げられ、安心して昇進にチャレンジできる環境作りやロールモデルの確保が求められています。

関連記事女性管理職が少ない理由とは?企業の増やす取り組みとメリットを解説

メンター制度が女性活躍推進に効果的な理由

メンティーの精神的な支えとなるメンターの存在は、女性社員が抱える孤立感を解消し、安心感を提供します。メンターが悩みを聞くことで女性社員のキャリア課題が可視化され、メンターや社内から適切なサポートを受けられるためです。さらにメンターが女性社員のロールモデルとなることで、女性社員は現実的な目標設定をできるようになります。

メンター制度のメリット

メンター制度の導入は、女性社員に対してだけではなく組織全体にも良い影響をもたらします。ここでは、女性社員にとってのメリットと、組織全体に対するメリットを解説します。

キャリアアップ意欲の向上

ロールモデルとしてのメンターとのコミュニケーションは、女性社員のキャリアアップへの意欲を高めることができます。経験豊富なメンターからアドバイスを受けることで、女性社員はキャリア形成上の課題解決や目標設定をすることができます。また活躍するメンターを近くで見ることで、具体的なイメージをもつことができ、管理職になることへの不安が軽減され、管理職を目指す女性社員が増える可能性があります。

メンタル面のサポート

メンター制度では、単なる業務上の教育だけでなく、メンタル面のケアを重視しています。職場だけでなく、育児との両立や女性特有の健康課題など、仕事に影響を与えるさまざまな悩みを抱える女性社員にとって、メンター制度はメンタル面での大きな支えとなります。そのため、メンター制度の導入は女性社員にとって働きやすい組織を作ることにつながります。

組織全体への波及効果

メンター制度の導入は、メンターや女性社員だけでなく、その周囲の社員も関わるようになり、結果として社内に女性活躍推進の理解者や支援者が増えていきます。また、メンターは通常、対象となる女性社員とは異なる部門の先輩社員が務めることから、部門や部署を超えた社内ネットワークの構築も進み、組織風土の活性化にもつながります。

メンター制度の種類

メンター制度にはメンターの立ち位置によって、社内メンター制度、社外メンター制度、クロスメンター制度の3種類があります。

社内メンター制度は、同じ企業内の先輩社員がメンターを務めます。社外メンター制度では、外部の女性役員やダイバーシティ専門コンサルタント、コーチング専門家など、外部の視点を取り入れます。クロスメンター制度では、企業の垣根を超えたメンター・メンティー関係が作られます。

社内に適切なメンターがいないときは外部のリソースを活用しますが、組織風土を変えて社内の組織課題を解決するならば、社内メンターの育成が重要です。

メンター制度導入のステップ

メンター制度を導入する際は、目的の明確化に始まり、関係者との合意形成、研修の実施、効果測定など複数の手順を踏みます。ここでは、メンター制度の導入手順を6つのステップに分けて解説します。

Step1:目的の明確化

最初に自社の組織状況を分析して課題を抽出し、この課題をメンター制度によってどのように解決できるかを明確にします。さらにメンター制度導入の効果を測定するため、定量・定性の両面で指標を設定します。

メンター制度の目的が明確になれば、メンティーも定まります。例えば女性管理職が少ないことが課題ならば、メンティーは女性社員となり、女性社員が抱える課題を特定して、効果測定の指標を決めます。この場合は、管理職登用率や就業年数などが挙げられます。

Step2:メンター制度実施の体制構築

メンター制度の必要性と目的が明確になったら、社内体制を構築します。最初に経営幹部の承認と協力を得ることが重要です。その後、人事部を中心に推進チームを立ち上げ、メンター業務を標準化します。ここでは、面談頻度、進捗報告、フォローアップの方法や、守秘義務の遵守、メンタリングの実施は就業時間内に行うといったルールを定めます。また、メンタリングに関する相談窓口の設置も必須です。

Step3:メンター・メンティーの選定

社内の体制が整ったら、目的に合わせ自薦または他薦でメンターとメンティーを選出します。メンターは、豊富な経験と実績を持ち、自身の役割を十分に果たせる人材を選びます。また、メンティーとの相性も重要です。一方メンティーは、主体性が高くキャリア開発に積極的な社員が適しています。

女性活躍推進に向けたメンター制度の導入では、女性管理職を積極的にメンターに登用し、ロールモデルを提示しましょう。男性メンターの場合は、ジェンダーバイアスに関する研修も実施します。

Step4:事前研修の開催

メンタリングの実施前には事前研修を実施し、関係者にメンタリングの意義を共有します。女性活躍推進に伴うメンタリングを行う場合、研修では女性活躍推進の意義や女性特有のキャリア課題に関する理解も深めます。

さらに、メンターにはメンタリングの目的や方法、基本スキルを伝えるとともに、問題が発生した場合の対処法も共有します。メンティーにはメンター制度の目的や相談の仕方を説明します。メンターとメンティーの顔合わせの時間を設けると、信頼関係を築きやすくなります。

Step5:面談の実施

準備が整ったら面談を実施し、メンター制度を開始します。面談ではワークシートや具体的なテーマ例を活用すると、初回面談から円滑なコミュニケーションを促進できます。さらに、メンティーのメンタル面を支えることは、特に初心者のメンターにとって心理的な負担が大きいため、メンター同士で情報共有や相談ができるチャットツールや、定例ミーティングの場を設けることが望まれます。

Step6:振り返りと効果検証

メンター制度の開始後は、一定期間ごとにメンター・メンティー双方に対してアンケートやヒアリングを行い、進捗を確認します。アンケートの中では、Step1で定めた効果検証の指標を継続的に追跡します。

成功事例は積極的に発信し、女性活躍を促進する社内の機運を高めましょう。反対に課題が見つかった際は、速やかに改善することが重要です。メンター期間終了後は、定量・定性の効果指標を分析し、最終結果を経営陣や関係者に報告します。

メンター制度成功のポイント

メンター制度の成功には、社内の協力が不可欠です。特に、経営層とメンター・メンティー双方の上司からの理解と協力は必須です。経営層の理解を得られると、経営主導による導入ができるため制度の実行力が高まり、社内での理解者や支援者を速やかに増やすことができます。メンター制度は、メンターやメンティーはもちろん、周囲の社員も含めた現場での負担が増します。そのため、メンター・メンティー双方の上司から理解とサポートを得ることが成功のカギとなります。

メンター制度の動向

近年、労働力不足やグローバル化に対応するため、企業におけるダイバーシティ推進、特に女性活躍推進の重要性が高まっています。女性活躍推進法施行から企業ごとの状況に応じた取り組みが進むなかで、メンター制度が改めて注目されています。

関連記事​【2025年最新】女性活躍推進法とは?導入の背景や企業がすべき取り組み、最新動向を解説!

厚生労働省は、女性社員の活躍を促進する有効な手段として、メンター制度の導入とロールモデルの紹介を推奨しています。

たとえば、大手飲料メーカーでは、役員とのメンタリングを経験した女性経営職が、次のメンターとなる「メンタリング・チェイン」を展開しています。また、ITインフラエンジニアの派遣事業を行う企業では、社長の強いコミットメントのもと、女性管理職向けに社内メンター制度を実施しています。さらに、男性幹部社員からエグゼクティブオーナーを選出し、自分ごととして女性活躍推進をリードする意識づけも行っています。

関連サイト女性社員の活躍を推進するためのメンター制度導入・ロールモデル紹介・地域ネットワークへの参加マニュアル・事例集 | 厚生労働省

まとめ

メンター制度は女性社員に身近なロールモデルを提示し、そのロールモデルからキャリア形成における課題解決やメンタル面でのサポートを受けられる体制を構築することができます。同じ組織内で条件が近い点で社内メンターは、組織風土や業務内容を深く理解しているため理想的とされています。しかし、人材が不足している場合や多様な視点を取り入れたい場合には、社外の専門家や他企業のメンターを活用することも有効です。

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