おすすめ特集・コラム女性活躍推進を“成果”につなげるための5つのステップを解説~人的資本経営時代に人事・DE&I担当者が押さえるべき実践戦略~

更新日:2026.03.04
- 女性活躍
女性活躍推進は、もはや「取り組んでいること」そのものが評価される段階を終えました。現在は、女性活躍推進がどのように経営成果へ結びついているのか、すなわち「実効性」と「再現性」が問われるフェーズに入っています。
人的資本経営の情報開示が進むなか、企業は以下のような指標を定量的に示すことが求められています。
- 女性管理職比率
- 男女間賃金格差
- 育児休業取得率(男女別)
- 出産・育児後の女性社員離職率
- エンゲージメントスコア
これらは単なる人事指標ではなく、企業の持続的成長力を測る経営指標として、投資家・求職者・取引先から注視されています。
一方で、現場の人事・DE&I推進担当者からは次のような声が多く聞かれます。
- 「女性活躍推進施策を実施しているが、成果として説明できない」
- 「女性管理職比率向上に向けた打ち手が属人的になっている」
- 「両立支援制度や健康経営施策が点在し、戦略として整理できていない」
本コラムでは、女性活躍推進を“形式”ではなく“成果”へと昇華させるための実践戦略を、人的資本経営・DE&I推進施策の観点から体系的に解説します。
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なぜ女性活躍推進は形骸化してしまうのか
多くの企業が女性活躍推進に取り組んでいるにもかかわらず、「管理職比率が伸びない」「離職率が下がらない」といった課題を抱え続けています。その背景には、個別施策の問題ではなく、共通する構造的な課題が存在します。
1.「制度導入=推進」と捉えてしまっている
両立支援制度や在宅勤務制度の整備は、女性活躍推進の基盤として欠かせません。しかし、制度はあくまで“環境要因”であり、成果を左右するのは運用の仕方と組織文化です。
実際には、「制度を利用すると評価が下がるのではないか」「管理職になると両立できなくなる」という暗黙のメッセージが現場に残っているケースも少なくありません。また、制度の使いやすさが上司によって大きく異なる場合、社員は安心して制度を活用できなくなります。
このような状態では、制度が整っていても活用は進まず、結果として女性管理職比率向上や離職率改善といった成果にはつながらないのです。
関連記事:女性活躍推進で企業や社員はどう変わるのか?成功例と具体的な課題解決方法について解説
2.女性管理職比率向上が「数値目標」だけになっている
女性管理職比率は重要なKPIですが、数値のみを追いかけると副作用が生じます。育成が追いつかないまま登用が進んだり、少数の女性管理職に業務や期待が集中したりすることで、ロールモデルが疲弊してしまうケースもあります。
本来目指すべきは、短期的な数合わせではなく、中長期的に女性リーダーを輩出し続ける育成パイプラインの構築です。候補者層を厚くし、無理のない形で登用できる状態をつくらなければ、比率向上は持続しません。
関連記事:女性管理職が少ない理由とは?企業の増やす取り組みとメリットを解説
3.心理的安全性への投資が不足している
女性社員が昇進を辞退する理由として多いのは、「自信が持てない」「家庭との両立が不安」「管理職像に違和感がある」「失敗したときのリスクが大きい」といった心理的な要因です。
これらは能力不足ではなく、挑戦しても大丈夫だと思える心理的安全性や、将来像を描けるキャリアイメージ設計が不足していることに起因します。制度や研修だけでなく、対話や支援の設計に投資しなければ、女性活躍推進は表面的な取り組みにとどまってしまいます。
関連記事:心理的安全性とは?心理的安全性を高めるメリットと測定方法をご紹介
女性活躍推進を成果に変える「戦略設計5ステップ」
女性活躍推進を一過性の取り組みで終わらせず、経営成果へとつなげるためには、場当たり的な施策ではなく、戦略的な設計プロセスが欠かせません。ここでは、人事・DE&I担当者が押さえるべき5つのステップを解説します。
STEP1:データに基づく現状可視化と課題構造の特定
女性活躍推進の第一歩は、感覚や印象論を排し、人的資本データを構造的に把握することです。多くの企業では「女性管理職比率が低い」という結果だけに目が向きがちですが、重要なのはその背景にある要因を分解することです。
分析すべき指標としては、階層別女性比率、女性管理職比率や昇進スピード、出産・育児後の復職率、復職後3年以内の離職率、両立支援制度利用者の評価・昇進状況、女性社員のエンゲージメントスコアなどが挙げられます。
これらを掛け合わせることで、「そもそも候補者が少ないのか」「昇進打診で辞退されているのか」「復職後にキャリアが停滞しているのか」といった課題の構造が見えてきます。課題を正確に捉えることで、DE&I推進施策の優先順位が明確になります。
エンゲージメント可視化の実践法
社員意識調査を通じて組織の現状を定量的に把握し、課題の優先度や改善ポイントを整理する方法をわかりやすく解説しています。組織改善や人材戦略の検討に役立ちます。
STEP2:女性管理職候補プールの戦略的育成
女性管理職比率向上を実現するためには、候補者母集団を継続的に育成する視点が不可欠です。管理職直前になってから打ち手を講じても、十分な準備が整わないケースが多く見られます。
そのため、キャリア初期からのリーダー育成プログラム、部門横断プロジェクトへの参画、経営層との対話機会の創出、スポンサー制度やメンター制度の導入などを通じて、早い段階から視座を高めていくことが重要です。
「管理職直前」ではなく、数年前からの計画的な仕込みこそが、無理のない登用と持続的な比率向上を可能にします。
STEP3:両立支援制度を“成長支援制度”へ進化させる
両立支援制度は、単なる福利厚生ではなく、人的資本への投資として位置づける必要があります。制度があっても、活用するとキャリアに不利になるという認識が残っていては、成果にはつながりません。
管理職向けDE&Iマネジメント研修を通じて両立社員のマネジメント力を高めることや、時間ではなく成果で評価する制度設計、業務の属人化を解消しチーム型で成果を出す仕組みづくりが求められます。
これにより、両立社員の生産性とエンゲージメントが高まり、結果として組織全体のパフォーマンス向上にも寄与します。
ライフイベントとキャリアの両立支援
「育児・介護休業法」改正をきっかけに、ライフイベントによるキャリアの分断を起こさせないための取組みが各企業で本格化しています。企業の持続的成長に必要な施策とパソナの支援内容をご紹介します。
STEP4:健康経営との統合による離職率改善
女性特有の健康課題への対応は、離職率改善と強く結びついています。フェムテックの導入、更年期や不妊治療への支援、オンライン医療相談、管理職向け健康リテラシー研修などは、安心して働き続けられる環境づくりに直結します。
健康経営と女性活躍推進を分断せずに統合することで、短期的なケアにとどまらない、持続的にパフォーマンスを発揮できる職場環境が整います。
女性活躍推進の要点整理
女性活躍支援の制度設計や実行における課題整理、施策のポイント、定着や成果につなげる取り組み方をわかりやすく整理しています。多様性と組織力向上にお役立てください。
STEP5:心理的安全性を高める対話設計
女性リーダー育成を進めるうえで欠かせないのが、「対話の設計」です。定期的なキャリア面談、女性管理職ネットワークの形成、コーチングの導入などを通じて、悩みや不安を言語化できる場をつくることが重要です。
挑戦が歓迎され、失敗から学べる文化が醸成されることで、女性社員は将来のキャリアを前向きに描けるようになります。こうした心理的安全性の積み重ねが、結果として女性管理職比率向上を力強く後押しします。
女性活躍推進がもたらす経営インパクト
女性活躍推進は、単なる社会的要請や人事施策ではなく、ダイバーシティ経営による競争優位性を生み出す重要な経営投資です。多様な視点が意思決定に反映されることで、判断の質が高まり、リスクの見落としや偏りを防ぐ効果が期待できます。また、異なる経験や価値観が交わることで、イノベーション創出や新たな事業機会の創造にもつながります。
さらに、女性が長期的に活躍できる環境を整備している企業は、優秀人材から「選ばれる企業」となり、採用力そのものが強化されます。離職率が改善されれば、採用・育成にかかるコストも抑制でき、組織知の蓄積という観点でも大きなメリットがあります。加えて、女性活躍推進に積極的な姿勢は、企業ブランド価値の向上や投資家・取引先からの信頼獲得にも直結します。人的資本経営時代において、女性活躍推進は人事施策ではなく、経営戦略そのものだと言えるでしょう。
関連記事:女性活躍推進をはじめとしたダイバーシティマネジメントの重要性とパソナの施策事例
これからの女性活躍推進:統合型DE&I戦略へ
今後の女性活躍推進は、女性だけを対象とした個別施策から進化し、男性育休推進や多様なライフスタイル支援、インクルーシブ・リーダー育成を包含した統合型DE&I戦略へと移行していきます。性別やライフイベントに関わらず、誰もが能力を発揮できる環境づくりこそが、組織全体の変革を促す原動力となります。女性活躍推進は、その入口に位置づけられるテーマです。
まずは、人的資本データを徹底的に分析し、自社の課題構造を可視化すること。次に、女性活躍推進を経営戦略と結びつけ、経営層と共通言語で議論できる状態をつくること。そして、施策を点ではなく線で捉え、体系化されたロードマップとして設計・推進することが求められます。
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