おすすめ特集・コラムデジタル人材とは?人材を確保、育成するために必要なこと
公開日:2022.10.31 更新日:2025.02.26
- 人材紹介(中途採用支援)
企業のDX推進に不可欠なのがデジタル人材です。急速な社会のDX化によってデジタル人材の需要は大きく高まっています。デジタル人材の定義や現状を知り、今後のデジタル人材の育成や採用方法、確保するためにと必要なことを詳しく解説します。
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デジタル人材の採用マーケットの動向・採用ノウハウを公開
DX推進が進む中で、デジタル人材は特定の業界に留まらず様々な業界で活躍しています。デジタル人材の異業界への転職が154%に増加しているというデータもあります。
そのため採用では同じ業界だけでなく、他の業界も競合他社として見ていく必要があります。
「DX推進のための人材採用 採用難時代に選ばれる企業とは?」では、デジタル人材採用のポイントを実例とともに紹介しています。
デジタル人材とは
デジタル人材とは具体的にどんな人材を指すのかを押さえておきましょう。
デジタル人材の定義
デジタル人材とは、DX推進を担うために最先端技術を活用できる人材の総称です。
最先端技術とは、クラウド・AI・IoT・RPA・5G・生体認証・ビッグデータなどのテクノロジーが該当します。
時代に合った最先端技術を活用・駆使し、企業のDX改革を担うことのできる人材を総じて、デジタル人材と定義されます。
必要なスキル・要件とは?
デジタル人材には幅広いスキルが必要です。
必要とされるスキル・要件 | 主な役割 |
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IT関連のスキル |
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UX・UI関連のスキル |
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プロジェクトマネジメントスキル |
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ファシリテーションスキル |
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コミュニケーションスキル |
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参考:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査
デジタル人材にはITに関する技術的なスキルと、コミュニケーションやマネジメントなどのビジネススキル双方が必要です。
また求められるスキルに該当する職種は1つだけではなく複数であること、1つの職種で複数のスキルが必要になることが特徴といえます。
デジタル人材とIT人材の違い
デジタル人材は以下のように定義でき、IT人材については中小企業庁で以下のように定義しています。
- デジタル人材:最先端のデジタル技術を活用して企業に対して新たな価値提供ができる人材
- IT人材:ITの活用や情報システムの導入を企画・推進・運用する人材
参考:中小企業庁 中小企業の稼ぐ力 IT人材の活用
一般的には同じ意味で使われることが多いですが、デジタル人材は価値提供を行う人材、IT人材は提供されたリソースを実際に運用し実現させる人材ということになります。
デジタル人材とDX人材
デジタル人材とDX人材は、DX推進を担う存在という同義で捉えられています。
デジタル人材 |
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DX人材 |
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デジタル人材はDX人材に含まれるため、デジタル人材と比較してDX人材の方が該当する職種が多くなっています。
関連記事:「DX人材とは? 職種別必要なスキルとマインドセット」
今からでも始めるべき!成果の出るDX採用とは
デジタル人材の採用活動を開始しているものの苦戦している方、これから採用を始めようとしている方に向けたセミナーのアーカイブ動画です。
DX採用とは?という基本知識や各社の最新採用トレンドからデジタル人材の効果的な採用手法について、事例を交えてご紹介しています。
なぜ必要か? 3つの理由
デジタル人材がなぜ企業にとって必要な存在になっているのか、3つの理由を解説します。
求められるDX推進
あらゆる産業においてDX推進が求められている理由は、競争力の維持と強化です。
既存の業務をデジタル化することで、生産性の向上や業務の効率化につながることが期待できます。
またビジネス環境の変化は目まぐるしく、ユーザーのニーズの多様化や価値観の変化にも対応しなければいけません。
企業が競争社会で生き残るためにはDX推進は欠かせず、同時にデジタル人材の必要性も高まっているのです。
レガシーシステムの壁
レガシーシステムとは、古くなったコンピュータのシステムや過去の技術・仕組みで構築されているシステムのことを指します。
経済産業省の「DXレポート」によると、日本の約8割の企業がレガシーシステムを抱え、約7割がDX推進の足かせになっていると回答しているのが現状です。
積極的なIT投資に資金・人材を割けない状況もあり、既存のシステムを開発した前任担当者の退職によりノウハウを喪失している企業も多く見られています。
本来は最先端技術への投資が優先であるにもかかわらず、老朽化したシステムの保守・運用に人材を割かなければいけないという課題があります。
参考:経済産業省 「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開」
新型コロナウイルスの感染拡大による働き方の変化
新型コロナウイルスの感染拡大は、働き方に大きな変化をもたらしました。
テレワークの推進・非接触型サービスの提供など、今までになかったビジネススタイルが求められています。
感染拡大を防止しながら経済活動を維持していくためには、IT活用が不可欠です。
ネットワークインフラの増強やテレワーク制度導入などが必要になり、DX推進の遅れに課題を感じている企業が増えています。
日本のデジタル人材不足
そうした喫緊のニーズがあるにもかかわらず、日本企業がDX推進を行っていく中で課題となっているのが圧倒的なデジタル人材の不足です。
IPA調査 IT人材の不足感は89%に
IPA・情報処理推進機構が発表した『DX白書2021』によると、IT人材に「量」的な不足感を感じている事業会社は2021年の調査で89%にも上りました。
『IT人材白書2017』では84.5%だったのに比べ、『IT人材白書2020』では89%、2020年の調査では88.2%、確実に不足感が高まっていることがわかります。
また「質」の面で見ても、「大幅に不足している」と回答した企業の割合は年々増加傾向にあり、『IT人材白書2017』では33.2%なのに対し、『IT人材白書2020』では39.5%、『2022年調査』では40.5%と企業が求める質と人材のスキルにギャップが出てきていることが報告されています。
経済産業省によれば、デジタル人材は10%、2030年には79万人の不足
経済産業省が調査したIT人材需給に関する調査では、IT人材需給の試算結果が報告されています。
ITニーズの拡大によりIT関連市場規模は今後も拡大すると見込まれていて、需要の伸びが約3%~9%の高位シナリオの場合、2030年には79万人の人材不足が見込まれています。
また2019年9月に株式会社NTTデータ経営研究所が行った調査では、20代~40代の社会人で「デジタル人材」の存在は10%程度であることが報告されています。
労働人口や若年層人口が減少する中、デジタル人材に関しても深刻な人材不足が懸念されている状況です。
デジタル庁によるマナビDX
急速に進んだデジタル化に対応できる人材育成のために、デジタル庁、文部科学省、厚生労働省、経済産業省が連携して、デジタル人材育成プラットフォームの『マナビDX』を開設しました。
『マナビDX』とは、デジタルに関する知識・能力を身につけることができるポータルサイトで、デジタルスキルを身に付けることができる学習コンテンツを紹介しています。
2022年3月より運用が開始され、受講料支援のある講座も設けられています。
社内研修用のコンテンツも豊富に取り揃えられていて、人材開発支援助成金を受けることも可能です。
自治体によるデジタル人材育成支援事業
国だけでなく、自治体でもデジタル人材の育成に力を入れています。
東京都では、デジタル人材育成支援事業として原則35歳以下の求職者向けに行っています。
スキルを身につけた後IT分野に就職ができるよう、デジタル関連のスキル習得と再就職支援を一体化して行っています。
選考後に2~3ヶ月の職業訓練を行い、就職支援までを参加費は無料でサポートしてくれます。
スタンダードコース |
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ハイエンドコース |
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応募条件 |
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他自治体でもデジタル人材の育成支援を実施しています。
- 埼玉県 離職している女性対象 女性のデジタル人材育成推進事業
- 愛知県 企業に所属する社員が対象 デジタル活用人材育成支援事業
- 京都府 IT人材育成の事業・正社員や現場担当者が対象 IT人材育成支援
- 金沢市 中小企業者・小規模企業者が対象 ものづくり企業デジタル人材育成支援事業
自治体によって対象者や実施要項はそれぞれ異なりますので、利用を検討する場合は確認が必要です。
デジタル人材、DX推進に関わる人の働き方の特徴
現在DX推進に携わっている人にはどのような特徴があるのでしょうか。
株式会社NTTデータ経営研究所の調査を元に、デジタル人材の特徴を2つご紹介します。
活躍できる場を求めて流動的
株式会社NTTデータ経営研究所は2019年に『デジタル人材定着に向けたアンケート調査』を行いました。
その中で報告されているのは、デジタル人材は活躍できる場や自身のスキルアップを求めて、流動的に転職を行うということです。
- 転職経験者はデジタル人材以外が56.3%に対してデジタル人材は71.6%
- 1年以内の転職意向のある人はデジタル人材以外が9.7%に対してデジタル人材は30.6%
- デジタル人材は転職が当たり前、転職経験者も多く、1年以内の転職を考えている人も多いと考えらます。
ワークライフバランスを重要視する
職場のワークライフバランスに対する満足度が高いと、転職意向が低下するという傾向もみられています。
目標や自身のスキルアップを軸に転職した層と、ワークライフバランスを軸に転職した層のいずれも、同様の結果となりました。
参照:株式会社NTTデータ経営研究所 ニュースリリース
「デジタル人材定着に向けたアンケート調査」デジタル人材の定着には、上司の選定とワークライフバランスの推進が重要~多様化するデジタル人材の活用に向けて~」
育成・定着させる4つのポイント
転職流動性の高いデジタル人材を育成・定着させるにはどんな企業努力が必要なのでしょうか。
社内の人材をスキルアップさせる
現在勤務している社内の人材を、デジタル人材としてスキルアップさせることが重要です。
外部から新たに人材を確保するよりも、自社のビジネスを熟知している社内の人材を育成する方が効率的といえます。
デジタル人材の確保
一方でモチベーションの高いデジタル人材の確保は必要な企業努力でもあり、継続して続けていく必要があります。採用努力と並行して、そうした人材が定着する職場環境の整備も進めていく必要があります。
資格取得支援・研修機会の充実
資格取得支援や研修機会を充実させることもデジタル人材育成・定着のポイントです。
社員全員がITリテラシーを高く持てるような環境整備を行い、自ら学びたいと思えるような文化を作り上げていくことが大切になります。
適切な評価と待遇
先述した『デジタル人材定着に向けたアンケート調査』では、転職意向の強い人材は、評価と待遇に不満を抱いているということが報告されています。
デジタル人材は、尊敬できる上司や適切なフィードバックが行われる環境、能力に応じた昇進が行われる評価方法などを重要視する傾向があるため、定着のために評価や待遇が見合っているかを見直すことが重要です。
他部署との交流
デジタル人材の育成・定着には他部署との交流も必要です。
企業に勤務しているのはデジタル人材だけではありません。
DX推進に関わる業務への理解を深めてもらうためにも、他部署とのコミュニケーションは非常に重要です。他部署との交流から生まれる一体感や連帯感はデジタル人材の定着につながります。
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デジタル人材を採用・確保するには?
デジタル人材は市場全体で需要と供給のバランスが崩れ、人材の確保が難しい状況となっています。
企業のDX推進を担うデジタル人材を採用・確保するにはどのような手法や考え方が必要でしょうか。
必要な人材のスキルセットを明確化する
スキルセットとは、仕事を遂行する上で必要な能力・資質・経験などの組み合わせのことを指します。
社内において必要とされる人材の業務を明確化することが大切です。
まずは「どのような業務に、どのスキルセットを持った人材が、どのくらい必要なのか」を明確にしましょう。
リファラル採用、ジョブ型雇用など新しい雇用形態を検討する
信頼できる人脈を活かしたリファラル採用や、必要な職務に適したスキルや経験を持った人を採用するジョブ型雇用などを検討することもおすすめです。
特にジョブ型雇用はコロナ禍におけるテレワークの推進で注目された雇用方法で、スキルや技術力のある人材を雇用できるメリットがあります。
リファラル採用は採用コストの削減や転職潜在層の採用が可能になり、企業が求める適切な人材を採用できるのがメリットです。
デジタル人材の採用・確保には、従来通りではない新しい採用方法や雇用形態を検討することも視野に入れてください。
関連記事:「ジョブ型雇用とは?メリット・デメリット、メンバーシップ型雇用との違い」
アウトソーシングや人材紹介・人材派遣を活用する
アウトソーシングの活用もデジタル人材の採用・確保には有効な手法です。
- 業務自体をアウトソーシングする
- ハイクラス・ハイスキルの人材紹介や人材派遣サービスを活用する
従来の採用活動で思うような結果が得られていない場合は、アウトソーシングを活用することで課題が解決できる可能性があります。
関連記事:「アウトソーシングとは?メリット・デメリットや自社に適した種類、業務、導入の注意点を解説」
パソナのデジタル人材紹介・派遣
従来の採用方法で人材が確保できない・育成や定着が難しいという場合は、デジタルスキルをもった人材紹介、人材派遣が有効です。
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