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サクセッションプランとは?導入の手順や企業事例を紹介

経営上欠かせないポストの後継者を選抜・育成する「サクセッションプラン」。日本では馴染みの薄い取り組みでしたが、コーポレートガバナンス・コードや人材版伊藤レポートなどに取り上げられ、組織における後継者育成の重要性が再認識されています。

この記事では「サクセッションプラン」を取り上げ、取り組むメリットや導入の手順、企業事例を紹介します。

働く女性が活躍しやすい環境づくり 何からはじめる?

女性活躍推進法の改正により、企業にはますます働く女性が活躍しやすい環境づくりが求められています。 一方で、では何をすればよいのかがわからないという声も。

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サクセッションプランとは

サクセッションプラン(Succession Plan)とは「後継者育成計画」を意味する言葉です。組織を牽引する重要ポストの後継者を見極め、リーダーとしての役割を果たせるように育成していくことをいいます。アメリカでは1950年代ごろからすでに普及しており、経営の承継を円滑に進めるために取り入れられていました。前もって後継者候補を特定・管理しておくことで、組織上の重要ポストが空席になったとしても、そのポストにふさわしい適切な人材をいち早く配置することができます。

後継者育成が重要視される背景

日本では近年、コーポレートガバナンス・コード(2015年)やISO30414(2018年)、人材版伊藤レポート(2020年)において後継者育成の重要性が記載され、サクセッションプランに注目が集まるきっかけとなりました。また、女性版骨太の方針2024では「企業等における女性活躍の一層の推進」を一つの柱として、女性役員比率に係る数値目標の達成に向けて女性の採用・育成・登用を強化することが示されています。

関連記事「女性版骨太の方針2024」決定!企業視点からわかりやすく解説

サクセッションプランの実施状況

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが実施したサクセッションプランに関する調査(プライム市場上場会社76社の集計値に基づく)によると、社長ポジションの人材要件を設定している企業は42.1%、経営陣幹部ポジションでは28.9%となりました。後継者候補の育成施策としては「社外研修」と「タフアサインメント」が多く、社長・経営陣幹部の両ポジションともに過半数の企業が取り入れています。

女性役員の選出・育成に関しては、ほとんどの企業が「女性管理職の絶対数の少なさ」(約95%)を課題にあげています。女性役員を増やす施策としては「働く場所や勤務時間の柔軟性等の環境整備」(63.2%)や「女性向けキャリアセミナー」(27.6%)を実施している企業が多く、女性が働き続けやすい環境づくりやキャリアの意識付けに関する取り組みがおこなわれています。

参考「サクセッションプラン」に関するサーベイ結果(2023年度)|三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社

関連記事【2025年】女性役員比率19%を目指す|政府方針の概要と現状

関連記事女性管理職が少ない理由とは?企業の増やす取り組みとメリットを解説

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サクセッションプランに取り組むメリット

サクセッションプランに取り組むメリットとして以下の点が挙げられます。

後継者不在による混乱回避

サクセッションプランを導入するメリットとして、後継者不在によるリスクを軽減できることが挙げられます。組織運営における重要ポストが空席になったとき、次にそのポストに就任する後継者の配置に時間がかかると、迅速な意思決定がおこなえずに組織が混乱・停滞してしまうおそれがあります。これを回避するためには、経営者候補・経営幹部候補となる後継者を前もって育成しておくことが重要です。

組織の活性化

サクセッションプランによって経営層の育成計画を示すことは、社員のモチベーションアップにつながります。後継者に求める人材要件を規定し、昇進への道筋を明確に示すため、社員の出世意欲を高めることができます。これにより、士気の高い優秀な人材が定着しやすくなり、人材流出を防ぐとともに組織全体が活性化することも期待できます。

採用コストの削減

社内の人材から重要ポストの後任を決定することで、採用コストを抑えられるメリットがあります。後継者候補としての人材要件に合致し、すでに自社で活躍してきた人材を選ぶため、育成にかかる時間やコストも軽減できるでしょう。さらに、既存の社員を後継者候補とするサクセッションプランはリテンション施策としても有効であり、優秀な人材の流出を阻止することにつながります。

サクセッションプランの導入ステップ

サクセッションプランを導入する流れを4ステップで解説します。

【1】管理するポストと人材要件の決定

まずは自社の経営戦略において欠かすことのできない重要ポストを洗い出し、管理対象とする範囲や人数を決めていきます。サクセッションプランを実施するポストは経営者に限らず、役員・部長クラスまで範囲が及ぶこともあります。管理するポストが決まったら、それぞれの職務を果たす人材に求める能力・資質を明確にし、後継者候補としての人材要件を定義づけます。

【2】要件に合致する後継者候補の選抜

次に、人材要件に合致する候補者の選定をおこないます。後継者候補の選抜方法としては、自他による推薦、人材要件に沿ったアセスメント、選抜試験・面接などがあります。このとき、すぐに後継者として登用できる人材だけではなく、今後登用する可能性のある人材もあわせて選定するのが一般的です。現時点での能力や経験に限らず、その人の将来性や伸びしろ、今後のポテンシャルにも着目することが重要です。

【3】育成計画の作成・実行

選抜した後継者候補の育成案を作成し、それに従って配置や研修をおこないます。不足している能力や強化すべきスキルは個々で異なるため、個人に合わせた育成計画を作成するのが理想的です。経営学の基礎知識を習得させるほか、後継者候補としての成長を促すために新規事業の立ち上げに携わらせる、アクションラーニング(現実の課題に対する解決策を考案・実行する学習法)を取り入れるといった方法もあります。

【4】進捗確認とアセスメントの実施

育成計画を実行した後は、定期的に進捗確認とアセスメントを実施します。その結果次第では育成計画の見直しを検討するほか、管理対象のポストを新たに追加する、現在管理しているポストを外すなど、自社の状況に合わせて調整していく必要があります。育成計画は時間をかけて実施するため「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」のPDCAを回して継続的な改善をおこない、人材育成の品質を高めていくことが重要です。

サクセッションプランの企業事例

各ポストに適した人材を配置するために、企業はサクセッションプランをどのように運用しているのでしょうか。ここでは女性活躍に力を入れている企業の取り組み事例を紹介します。

帝人株式会社

早くから女性活躍に積極的に取り組んでいる帝人では、2000年に女性活躍推進の専任組織を設置し、2002年から女性管理職数に関する数値目標を定めてきました。目標達成に向けた取り組みとして、管理職一歩手前の女性社員を対象とした「女性リーダーシップ研修」を継続的に開催するほか、役員・コアポジションのサクセッションプランに女性をサクセッサーとして入れるように働きかけています。

参考コーポレートガバナンス|帝人株式会社

参考ダイバーシティ&インクルージョン|帝人株式会社

花王株式会社

花王グループでは従業員の半数以上を女性が占めており、女性管理職比率は30.5%(2022年)となっています。会社の成長には女性の活躍が不可欠と考え、さまざまな意思決定の場に多様な視点が入ることを重視してきました。社長執行役員のサクセッションプランにおいては、将来の経営環境を見据えた人財要件に合致する候補者を選定し、スキルマトリクスを取り入れて強化すべき知見・経験を議論しています。

参考コーポレート・ガバナンス|花王株式会社

参考女性活躍推進の取り組み|花王株式会社

株式会社りそなホールディングス

りそなホールディングスでは2005年に経営直轄機関「りそなWomen’s Council」を発足し、2020年に女性管理職比率30%を達成しました。サクセッションプランは2007年から導入しており「役員に求められる人材像」として7つのコンピテンシーを定め、中立的な育成・選抜をおこなっています。「社長」から「新任役員候補者」までを管理対象とし、外部コンサルタントからの助言を受けることで透明性・客観性の確保に努めています。

参考コーポレートガバナンスの概要|株式会社りそなホールディングス

参考ダイバーシティ&インクルージョン|株式会社りそなホールディングス

まとめ

サクセッションプランとは、組織における重要ポストの後継者を育成する計画をいいます。早いうちから後継者候補を管理しておくことで、急にポストが空席になった場合も空白期間をつくらず迅速に次の人材を配置することができます。後継者の人材要件や育成計画を明確に示すことは社員の士気向上につながり、組織の活性化やリテンション施策としても有効な取り組みです。

パソナでは創業以来培ってきた女性活躍のノウハウを活かし、企業の女性活躍推進を支援するサービスを展開しています。女性に特化した人材紹介やコンサルティング、幹部候補の育成プログラムなど、多種多様なソリューションをワンストップでご提案いたします。

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