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パラレルキャリアとは?実例や副業との違い、注意点を解説

日本では、これまで一つの会社で定年までのキャリアを歩むことがスタンダードな働き方でした。しかし、近年は働き方の多様化とともにキャリアの在り方が変化し、パラレルキャリアが注目を集めています。

複数の仕事を掛け持ちしながらキャリアを積み上げていくパラレルキャリアに興味を持つ人や企業は多いでしょう。しかし、まだ実例が少なくメリットや注意点がわからないため、実践を躊躇している人もいるのではないでしょうか。この記事ではパラレルキャリアの実例や副業との違い、注意点を紹介します。

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パラレルキャリアとは?

パラレルキャリアとは、 P・F・ドラッカーによって提唱された言葉で、スキルアップ・キャリアアップなどを目指して本業を持ちつつ別の仕事や活動を掛け持ちしながらキャリアを築いていくことです。「複業」とも呼ばれます。

パラレルキャリアの活動は必ずしも収入目的だけでなく、ボランティアや地域活動などの社会貢献活動も含まれます。

パラレルキャリアの実例

パラレルキャリアの実例を紹介します。

新たな事業を立ち上げるケース

自分の特技や会社で培ったスキルを生かして、個人事業を立ち上げるケースです。例えば、海外駐在を通じて英語をビジネスレベルで話せるようになったので、帰国後に自宅で英会話教室を始めるケース、社内SEとして勤務するかたわら自分でアプリ開発をおこない、個人や企業向けに販売するケースなどがあります。

自分で事業を始めた場合、消費者ニーズを掴んで商品開発をおこない、販促活動やマーケティング、売上げ回収までのすべてを経験します。負担は大きいものの総合的なビジネススキルを高めることができます。

社会貢献活動をおこなうケース

関心がある分野や地域で社会貢献活動をおこなうケースです。例えば、地元で清掃活動やリサイクル運動、災害発生時にボランティアをおこなうと、幅広い人たちと交流するため柔軟なコミュニケーション力が身に付きます。ミドル世代にとっては、地元に貢献する活動が定年後の豊かな人とのつながり、コミュニティ獲得にもつながるため特に有益となるでしょう。

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パラレルキャリアと副業との違い

パラレルキャリアと副業は複数の仕事をこなす点は共通していますが、主要な目的が異なります。パラレルキャリアはキャリアアップ・スキルアップが目的であり、無収入で活動することもあります。一方、副業の多くは収入の増加が目的です。

パラレルキャリアが拡大している背景

パラレルキャリアが注目されてきた背景を解説します。

個人のキャリア意識の高まり

終身雇用や年功序列などのいわゆる日本型雇用慣行は崩れつつあります。キャリア開発を会社に依存するリスクが高まったため、個人が自律的・主体的にキャリアアップを目指したいと考えるようになり、その結果、パラレルキャリアが注目されるようになりました。

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企業に対してもメリットをもたらす

社員が外部の活動を通してスキルアップし、本業に能力を還元すれば企業にとってもメリットがあります。行政もオープンイノベーションが促進されるという観点から、企業に副業・兼業をおこなえる環境整備を推進しているため、近年はパラレルキャリアを容認する企業が増えています。

パラレルキャリアのメリット

社員、企業にとってのパラレルキャリアのメリットを具体的に記載します。

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社員にとってのメリット

社員のメリットにはスキルアップ、人脈の拡大、モチベーション向上が挙げられます。

①スキルアップ

本業と異なる活動を通して新たな知識、スキルを獲得できます。そのスキルや知見は本業でもプラスに働きます。例えば、どんな活動であれ収入が発生すれば確定申告が必要なので経理の知識を学びます。経理知識はすべての業種の仕事に不可欠なので、活かせる場面が出てくるでしょう。

②人脈の拡大

複数の仕事を掛け持ちすると、社外の人脈が拡大します。さまざまな人との関わりを通じて新たな視座を得ることができますし、本業で新しい事業に挑戦する際に、社外人脈から適切な情報やアドバイスを得られる可能性もあります。

③モチベーション向上

本業以外の活動が解禁されれば、自分のキャリアをより自律的に設計できるようになるため、働くことに対するモチベーションが向上します。パラレルキャリアを通じて好きなことに打ち込めるため、ストレス解消にもつながるでしょう。

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企業にとってのメリット

企業にとってのメリットには、社員のスキルアップの還元、離職防止、教育効果が挙げられます。

①社員のスキルや人脈が組織へ還元

社員がパラレルキャリアを通じて獲得したスキルや人脈が組織に還元されるメリットがあります。社外からの刺激によってチームが活性化したり、外部の知見と社内の知見が組み合わさって独創的なアイデアが生まれたりすることが期待できます。

②離職防止の効果

パラレルキャリアを推奨すると、社員は転職や起業をせずともこれまで挑戦したかった活動に取り組めるので、会社に対し好意的な感情を抱くようになります。

もちろん、離職につながるリスクもありますが、一般に外部の仕事や起業ですぐ高収入を得ることは簡単でないため、自社の環境や待遇のよさを認識する機会も多いでしょう。総じて社員の満足度は高まり、離職防止の効果が期待できます。

③人材育成の経費と労力の削減

社員は、社外の活動に従事することで新たな知見やスキルを得たり、異なる組織で活動することで新たな視点を得たりと、さまざまなことを学びます。社員がパラレルキャリアを通じてスキルアップすることは、いわば外部でOJT教育をしてもらうことに近いでしょう。人材育成施策でカバーできない領域での、社員の成長が期待できます。

パラレルキャリアのデメリット

社員にとっても、企業にとってもパラレルキャリアはデメリットもあります。

社員にとってのデメリット

社員にとってのデメリットは、本業に支障が出る危険性です。特にスタート当初は新しい環境や取り組みに慣れるまで身体的・ 時間的な負担がかかります。本業が終わった後や土日に取り組み、体力的に無理をすることもあるでしょう。過重労働や健康への影響がないようなタイムマネジメントや自己管理が求められます。

企業にとってのデメリット 

企業にとってのデメリットは、社員が社内情報を流出させるリスクです。世間話の中にも重要情報はまぎれこみかねません。社外情報の持ち出しは厳重に注意して、守秘義務契約を交わすなどの対策を講じる必要があります。

企業がパラレルキャリアを推奨するうえでの注意点

企業がパラレルキャリアを推奨する際の注意点を解説します。

注意点①: 就業規則の整備や情報漏えいへの対策

就業規則に複業を容認する範囲や禁止事項、違反した場合の罰則を明確に定めましょう。

情報漏えい対策のための「秘密保持義務」「競業避止義務」、長時間労働などで本業に支障が出たりしないための「安全配慮義務」、反社会的な活動などで自社の名誉が損なわれないよう「誠実義務」を明記することが重要です。複業を希望する社員には、別途誓約書を提出してもらってもよいでしょう。

注意点②:本業に支障が出ないように配慮

パラレルキャリアの経験がないと、自分の体力や精神力を過信する社員もいます。過重労働になって本業に支障が出たりしないように、スケジュール管理や健康管理に配慮するように口頭でもアドバイスしましょう。面談などで定期的に活動状況を把握し、社員に起こり得るデメリット、本業へのマイナスの影響に対して、事前に対策を打つことが重要です。

まとめ

近年は、企業に勤めながら別な仕事やボランティア活動をおこなうパラレルキャリアが注目されています。パラレルキャリアは多額の収入は期待できないものの、個人のスキルアップ・キャリアアップにつながる選択肢として、今後さらに注目を集めるでしょう。

企業にとってもパラレルキャリアの容認は、社員のモチベーション向上やスキルアップ、本業への知見の還元などメリットが期待できます。また、ミドルシニア世代に対して、人脈や新しく働ける場を獲得したり定年後の事業の準備をしたりする機会を提供できます。幅広い世代の社員のキャリア自律を応援する方法として、パラレルキャリア推進は有効な面が多々あるといえるでしょう。

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