おすすめ特集・コラム管理職研修の効果を最大化するための種類・内容・導入時の注意点まとめ
公開日:2025.07.02 更新日:2025.07.02
- キャリア自律支援
管理職としてのスキルやマインドを体系的に習得させる「管理職研修」。管理職が担うべき役割を踏まえ、業務遂行に必要な能力を効果的に伸ばすためには、現場の課題や階層に応じた適切な研修設計が不可欠です。
この記事では、管理職研修の種類や内容、導入時の注意点など、効果的な研修を実施するための基礎知識をまとめています。管理職研修の実施を検討している場合はぜひ参考にしてみてください。
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- 上司向けキャリア面談力向上研修
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本資料では、大きく4つに分類されるキャリア関連研修のメニューと、各研修の内容についてご紹介します。
管理職研修とは
管理職研修とは、部下を持つ立場の社員がマネジメントスキルを体系的に学ぶ研修です。具体的には、業務管理や部下の育成、チームビルディング、リスク管理など、チームを率いるために必要な知識・能力を習得します。
管理職研修の目的は、これまで現場の第一線で活躍してきた「プレイヤー」から、チームや組織のマネジメント役となる「管理職」への意識転換を図り、目標達成に導くためのリーダーシップやマネジメントスキルを向上させることです。組織のパフォーマンスを高めるには、企業の中核を担う管理職の成長が不可欠であり、管理職に必要なスキルやマインドを学ぶ管理職研修が重要な役割を果たします。
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管理職研修の種類と対象者別の目的
管理職研修は役職や経験に応じて内容が異なり、一般的に「新任管理職」「中間管理職」「上級管理職」のそれぞれに対して必要なスキルを習得する研修を段階的に実施していきます。ここでは、管理職研修の種類と対象者別の目的をご紹介します。
新任管理職向け研修(係長・課長)
新任管理職向け研修は、係長・課長クラスを対象に、プレイヤーから管理職へと転換するタイミングで実施される研修です。マインドセットの切り替えやリーダーシップの基礎、部下へのフィードバックなど、基本的なマネジメントスキルを習得する内容で構成されています。「自分で成果を出す」視点と「チームで成果を上げる」視点を併せ持ち、管理職としての土台を築く第一歩となる研修です。
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中間管理職向け研修(課長・部長)
中間管理職向け研修は、課長・部長クラスを対象に、マネジメントスキルの強化に取り組む研修です。この層にはマネジメントの応用力が求められ、組織間の調整力や戦略的な判断力、部下の育成のほか、コンプライアンスやハラスメント防止といった組織運営全体に関わるテーマにも対応する必要があります。現場経験に基づく実践的な内容を中心に、多岐にわたる知識・スキルの習得を図ります。
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上級管理職向け研修(部長以上・経営層)
上級管理職向け研修は、部長クラスや経営層など、経営視点での意思決定や組織変革を担う層を対象としています。戦略立案、財務知識、人材開発といった経営に直結するテーマを中心に学び、組織全体を見渡す広い視野を養います。企業の将来を見据え、中長期的な視点でビジョンを描き、組織を成功に導く人材の育成が目的です。
管理職に求められるスキルと研修で学ぶ内容
管理職には、業務の進捗管理だけでなく、部下の育成やチーム運営、戦略的思考など多面的なスキルが求められます。これらは一朝一夕で習得できるものではありませんが、管理職研修を通じて後天的に身に付けることができるスキルです。
ここでは、管理職研修で扱われる主要テーマを整理し、実務での応用も視野に入れた研修内容やスキルについて解説します。
業務管理/課題解決
業務管理や課題解決は、管理職に求められる基本的な役割です。研修では、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルの効果的な運用や、報連相(報告・連絡・相談)を通じた情報共有の強化に重点を置き、進捗状況の把握や適切な役割分担、問題の早期発見・対策立案の方法を学びます。これにより、業務の停滞やトラブルを防ぎながら、チーム全体のパフォーマンスを安定的に高めることができます。
部下育成と評価面談の技術
管理職は部下のキャリア形成を支援・促進する立場にあります。研修では、実務を通じて業務に必要なスキルを習得するOJTの進め方や、上司と部下が1対1で対話する1on1面談での効果的な対話手法、部下の話を丁寧に傾聴するスキルを習得します。
部下のキャリア形成には管理職の面談スキルが欠かせません。パソナでは管理職を対象に、短期間で効果的なキャリア面談のメソッドを学ぶ研修プログラムを提供しています。キャリア形成支援に対する管理職の役割について理解を深めるとともに、部下とのキャリア面談の流れやポイントを学べる実践的な内容となっています。
管理職は人的資本経営のキープレイヤー!キャリア面談向上研修
管理職が部下の「支援者」としての対応力を身につけた上で実施するキャリア面談は、組織活性化の好循環を生み出します。必要スキルを体系的に学ぶ管理職向けキャリア面談向上研修サービスについてご紹介いたします。
チームビルディングとコミュニケーション
組織が成果を出すためには、個人の力だけでなく、チーム全体の協働が欠かせません。研修では、メンバー同士が信頼関係を築くための対話力や傾聴力を養い、心理的安全性が確保された環境づくり学びます。実務においては、これらのスキルを活かして風通しのよいコミュニケーションを促進し、チームの一体感を高めることができます。
戦略・事業計画の策定と推進
中間管理職以上には、KPI(重要業績評価指標)の設計や中期事業計画の立案など、現場視点・組織視点での戦略構築スキルが求められます。研修では、論理的に目標を設定し、達成までのアクションプランを策定する力を習得します。実務においては、変化の激しい環境下でも柔軟に対応し、チームを効果的に牽引できる戦略的思考を発揮することが期待されます。
コンプライアンス・リスク管理
コンプライアンスやリスク管理は組織運営に不可欠な規範意識であり、組織の信頼を守ることも管理職の重要な責務です。研修では、ハラスメントや情報漏洩といったリスクを未然に防ぐための知識と対応策を学びます。リスクの兆候をいち早く察知し、適切な判断と対応を行うことで、組織全体の健全性を高めることができます。
経営視点と意思決定力の強化
上級管理職には、経営視点での意思決定力が求められます。研修では、財務リテラシーや経営数値の理解を通じた意思決定力を養成し、限られた経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を最適に配分する判断力を身に付けます。数値に基づく戦略的な意思決定により、変化の激しい経営環境でも的確な打ち手を講じることができます。
管理職研修を導入する手順と注意点
管理職研修を効果的に実施するためには、導入前の準備から実施後の効果測定まで一貫したサポート体制が必要です。ここでは、管理職研修を導入する手順と注意すべきポイントを解説します。
目的とゴールの明確化
まずは管理職研修の導入目的を明確にし、育成の過程で「どのような管理職像を目指すのか」というゴールを具体的に定めることが重要です。目的やゴールが曖昧なままでは、研修内容や成果がブレやすく、期待するほどの効果は得られません。最初に明確な方向性を示すことで、一貫性のあるカリキュラムを設計でき、受講者の理解や行動変容につながりやすくなります。
現状と課題の整理
目的とゴールを設定したら、研修対象となる管理職層の現状を洗い出し、彼らが直面している課題や組織全体のマネジメントに関する問題点を分析します。現場の実情を把握し、理想の管理職像と現実とのギャップを認識することで、より実効性のある研修カリキュラムを設計できます。
カリキュラムと講師の選定
研修カリキュラムは、対象となる管理職層の課題に即した内容を設計することが重要です。座学だけでなく、ロールプレイングやケーススタディといった実践的な手法も取り入れることで、現場での応用力を高めることができます。
加えて、研修効果を高めるには、内容を的確に伝えられる講師の力量も欠かせません。現場への理解が深く、豊富な実績を持つ講師を選定することで、受講者の共感や意欲を引き出しやすくなります。
スケジュールと実施
管理職研修を導入する際は、実施時期やスケジュール設定に十分な配慮が求められます。前もって関係部署と調整し、現場の業務負荷と両立できる時期を選定しましょう。あわせて、受講者への事前案内や資料の配布、研修後のフォローアップなど、研修前後の丁寧なコミュニケーションも必要です。
効果測定と改善
研修の質を継続的に高めるには、受講者の声を積極的に取り入れ、研修のPDCAに組み込む姿勢が欠かせません。研修を実施した後は、受講者アンケートやヒアリング、上司による行動変容の観察などを通じて効果を測定し、次回以降の研修内容や運営方法の改善に反映させることが重要です。
管理職研修は意味がない?よくある誤解とその真実
理職研修を実施したくても、現場から「意味がない」「必要ない」といった否定的な声が上がることもあります。その理由として「内容が現実離れしている」「実務に直結しない」「受講者のモチベーションが低い」などの課題が挙げられますが、これらは研修設計の工夫次第で回避することができます。
管理職研修の実効性を高めるには、現場の課題や実践に即したテーマを設定し、実際の事例をもとにした演習を取り入れるのが効果的です。さらに、上司と連動した支援体制を整え、学んだ内容を現場で実践できるようサポートすることも欠かせません。受講者が「現場で役立つ」「成果につながる」と実感できる内容であることが、管理職研修を意味あるものにするための重要なポイントです。
まとめ
管理職研修は、業務管理や部下育成、コミュニケーションなど、チームを率いる管理職に必要なスキルを体系的に習得する機会です。研修効果を最大化するためには、対象となる層や現場の課題に即した研修カリキュラムを設計し、グループでの対話や実践を取り入れるなど、実務に活かせる内容にすることが重要です。
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