導入事例

株式会社オカムラ

#DX推進  #生産性向上  #効率化 

株式会社オカムラ

業界
物流システム
効果
AI活用

AIを活用し、新たな物流ソリューションを開発。
倉庫内で稼働する、日本初遠隔操作ロボットの実現へ

3事業を軸に成長を続ける、オカムラの現在地

オフィス家具の大手メーカーとして認知度が高いオカムラ。同社は、オフィス、教育・医療・研究・商業施設、物流センターなど、さまざまなシーンにおいて、クオリティの高い製品とサービスを社会に提供することに努めている。

そんなオカムラのミッションは「豊かな発想と確かな品質で、人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献する。」というもの。全ての人々が活き活きと働き、暮らせる状態を志して、企業価値のさらなる向上と社会課題の解決を目指している。

同社はこのミッションの実現に向け、オフィス環境事業、商環境事業、物流システム事業の3事業を手掛ける。同社顧問(2023年3月まで執行役員 物流システム事業本部マーケティング部長)の山下佳一氏は、社内における物流システム事業の位置付けをこう語る。

株式会社オカムラ//(左)顧問 山下佳一氏//(右)物流システム事業本部 物流システム製品部 PROGRESS ONE開発室 橋詰真太郎氏 株式会社オカムラ//(左)顧問 山下佳一氏//(右)物流システム事業本部 物流システム製品部 PROGRESS ONE開発室 橋詰真太郎氏

「オカムラは1945年の創業以降、オフィス環境、商環境、物流システムの3事業を柱に成長してきた企業です。私が所属していた物流システム事業は、自動倉庫やコンベヤシステムなどを取り扱い、工場や物流センターのオートメーション化を支援しています。近年は物流システム事業のなかでも、物流センターや倉庫のロボット開発にも注力しているのが特徴です」

遠隔操作ロボットの開発で、新たな物流ソリューションを

そんなオカムラが現在開発を進めているのが、ハイブリッド型の物流自動化ソリューション「PROGRESS ONE(プログレスワン)」だ。PROGRESS ONEでは、人が遠隔で操作することで、従来ロボット単独では難しいとされていた作業や自律ピッキングを可能にしている。自律動作のみを行う従来の物流ロボットとは異なり、オペレーターによる遠隔操作もできる“ハイブリッド型”であるのが最大の特徴と言える。

その開発の背景には、物流倉庫の人手不足がある。

「コロナ禍を経てEC需要はますます大きくなり、それに伴って物流倉庫も増えています。その一方で、多くの企業では物流倉庫の稼働を支える人の不足が深刻化している。そんな課題をロボットとテクノロジーの力で解決しようとしているのが、PROGRESS ONEです」(オカムラ 山下氏)

従来の自律型ロボットの場合、ロボットがピッキングに失敗すると、人が現場に行ってピッキングをし直さなければならなかった。その点PROGRESS ONEでは、オペレーターが遠隔でピッキングを補助したり、商品ごとにピッキングの方法を調整したりすることで、そうした失敗の発生を防ぐことができる。

「PROGRESS ONEの導入によって、人が物流倉庫にいなくとも作業をサポートできるようになります。つまり、従来は時間や場所などの制約から現場で働くことが難しかった人々が働く機会を得ることにつながります」(オカムラ 山下氏)

PROGRESS ONEを活用することで、例えば1日のうち2時間のみ働きたい人や、育児や介護で出勤は難しいけれども働く意欲の高い人が柔軟に働けるようになる。また、冷蔵食品などを扱う物流倉庫で人が長時間働くことは肉体的な負荷が大きい。そのため現場ではロボットが稼働し、それを遠隔で人がサポートできるようになれば、従来の負担の大きな軽減にもなる。

「こうして私たちがロボット開発に力を入れているのは、ロボットが代わりに仕事を行うことで、人の負担を減らすとともに、人にしかできない仕事に集中できる環境を創りたいと考えているからです」(オカムラ 山下氏)

パソナとともに、ロボットのAI開発に着手

今回PROGRESS ONE 開発にあたり、AIの開発に携わったのがパソナだ。パソナと協業にいたった理由を、山下氏はこう語る。

「パソナさんのAI開発のサポート内容や実績はもちろんのこと、今後のPROGRESS ONEの幅広い展開を考慮すると、導入や運営をサポートいただける技術者の方がパソナさんに多く在籍していた点は非常に魅力的でした。また、将来的にPROGRESS ONEを遠隔で操作する働き手とつながるという意味でも、パソナさんとご一緒できたらと考えました」

パソナではAIをはじめとした様々な技術を結合し、企業のニーズに合わせて柔軟に対応できる点を強みとしている。開発にあたったパソナエンジニアの林は、プロジェクトをこう振り返る。

株式会社パソナ//営業統括本部 エキスパート・BPO事業本部 DXテクノロジー本部 X-TECH第1エンジニア室 林徹 株式会社パソナ//営業統括本部 エキスパート・BPO事業本部 DXテクノロジー本部 X-TECH第1エンジニア室 林徹

「物流倉庫ではサイズや重さ、形や強度を含め、非常に多様な商品を扱います。それらをロボットに搭載されたカメラがどのように識別できるのか、光の環境などを含めて試験を重ねました。ロボットのアームやハンドといったハードを変えるのではなく、できるだけAIなどのソフト側で調整できるよう、オカムラさんと試行錯誤を進めていきました」

パソナが今回担当したのは、PROGRESS ONEの脳の部分、つまりは制御を行う部分のAI開発だ。カメラから得る画像データと学習済みのデータを掛け合わせ、アームとハンドをどのように動かすべきかを判断するAIを開発した。

パソナの林によると、プロジェクトの初期段階では、AI開発において具体的に何を実現したいかが見えづらい部分があった。そこで両者で話し合いを重ねてゴールを明確にした上で、PROGRESS ONEを展示会などに積極的に出展してフィードバックを得て、開発を進めていった。

開発を現場で担当しているオカムラ物流システム製品部の橋詰真太郎氏は、パソナとの一連のやりとりをこう振り返る。

「ロボットアームの故障をはじめ、開発中には想定外のことが多く発生しましたが、パソナさんはその都度臨機応変に対応してくださりとても助かりました。発生する課題をどのように改善していくべきかという意識が非常に高かったのは、プロジェクトが前進できた大きな理由の一つだったと思います。また、AIという分野では次々と新しい情報が出てきますが、パソナさんはそれらをキャッチする“アンテナ”が高いように感じました」

橋詰氏に続き、オカムラの山下氏はこう付け加える。

「パソナさんとは毎週課題を共有し、一つずつ解決に向けて行動することができました。プロジェクトメンバーとして同じ志を持ち、同じ方向を向くことができたのはありがたかったですね」

PROGRESS ONEの今後を見据えて

物流倉庫内で稼働するロボットに関しては、これまでも様々な企業が開発を行い、実際の導入を進めている。しかし“遠隔”で稼働する物流倉庫ロボットは、日本初の試みだという。オカムラでは、これまでに事例のない事柄であったとしても、顧客や社会のニーズに応じて最適な提案を行い、その実現を目指すことを重視してきた。

山下氏は最後に今後の展望を語り、前を見つめる。

「現段階は“ようやくスタートラインに立てた”という状態に過ぎませんが、PROGRESS ONEは非常に独自性が高いロボットだという自負があります。今後は倉庫の完全無人化を目指していきたいと考えています。もちろん実際には、完全な無人化はかなり難しく、実現は先になると思いますが、極限まで人の稼働を減らすことはできるはずですし、PROGRESS ONEはその実現に大きく寄与できると思います。そしてそれが可能になれば、物流事業の新たなソリューションとなるだけでなく、介護や人命救助など、PROGRESS ONEを応用できるフィールドはますます広がると信じています」

パソナの林はその実現に向けて、意気込みをこう語った。

「僕はこのプロジェクトの意義と将来性に強く惹かれて、PROGRESS ONEの開発チームに入らせていただきました。オカムラ様は遠隔ロボット開発のみならず、労働力不足という社会課題の解決に向けて、ソリューションを柔軟に提案されています。私たちパソナも、企業理念として掲げている“社会の問題点を解決する”ために、今後もテクノロジーの力を活用したソリューションを皆さんに提供していきたいと思います」

株式会社オカムラ

株式会社オカムラ 顧問 山下佳一氏
株式会社オカムラ 物流システム事業本部 物流システム製品部 PROGRESS ONE開発室 橋詰真太郎氏
株式会社パソナ 営業統括本部 エキスパート・BPO事業本部 DXテクノロジー本部 X-TECH第1エンジニア室 林徹

インタビュー日時:2023年6月1日


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今回ご紹介した事例に対してパソナでは以下のサービスで解決させていただいています。

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