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パソナ ミュージックメイトコラム-MUSIC LIFE 第5回

(2014年08月7日)
ミュージックメイトコラム

パソナミュージックメイトでは、MUSIC LIFE-自分らしいオンガク活動とは-と題してコラムを始めます。
今を生きる音楽家に向けて、広がりつつある新たな可能性を全5回、毎月1回のペースで掲載していきます。
コラムを連載するにあたり長年、音楽シーンでご活躍されている永田純氏をお招きしお話を伺いました。


第5回:CASE-3〜音楽と仕事の両立〜

第5回 CASE3 音楽と仕事の両立

音楽と仕事のバランスをとりながら、音楽活動を続けているミュージックメイトスタッフの方をお招きし、
ジャンルの違う3名の活動についてそれぞれ永田純氏(以下・永)に相談、アドバイスを伺った。
三者三様の仕事と音楽活動について3回に分けてお送りしてきた最終回は、CASE3・ボサノヴァミュージシャンとして活動するCさんのお話を中心に、これからの時代の「音楽と仕事の両立」についてのディスカッションをお届けする。


Aさん(20代女性)…ピアニストとして高校時代から数々のクラシックコンクールに入選し、ドイツの音楽セミナーを主席で修了。
音大卒業後、現在は自主企画なども含む演奏活動をおこなっている。

Bさん(20代男性)…ベースプレイヤーとして高校在学中にバンド活動をはじめ、大学在学中に現在のロックバンドに加入。
ロックコンテスト入賞、楽曲配信などをおこない、現在は東京を拠点にライヴ活動をおこなっている。

Cさん(30代女性)…ボサノヴァミュージシャンとして透明感のある歌声と芯のあるギターに定評があり、都内ライヴ・バーで
毎月弾き語りライヴをおこなうほか、レストラン、ホテルラウンジなどでも演奏活動中。



永:Cさんはどんな活動をしていらっしゃるんですか?

Cさん: 私はこの中で一番年上で、でも音楽活動歴は一番短いんです。普通に大学を出て証券会社に就職したのですが、2年程で辞めてしまって、ミュージックセラピストを目指してみようかなと思っていました。ただ、その仕事だけで生活していくのは厳しそうなので、パソナに登録したんです。そうしたら最初に担当の方に、現在の証券会社のお仕事をご紹介して頂いて、それから10年以上働いています。

永:音楽歴は一番短いけれど、パソナでの勤務歴は一番長いんですね。

Cさん:そうなんです。趣味でボサノヴァを始めてから変わりました。アマチュアでジャズをやっている友人がたくさんいて、15年前にその演奏を観に行ったときにボサノヴァもやっていて、良いなと思ったのがきっかけですね。高校生の頃にクラシック・ギターを少しだけやっていたのと、何か仕事以外のことをやりたいという気持ちが徐々に芽生えてきて10年前から、もう一度趣味でやろうかなと思って始めました。それから毎日、退社後はギターを練習して、セッションにも参加していたら徐々に仲間ができて、2010年から3年間だけ渋谷にある音楽事務所に所属していたんです。証券会社の仕事は生活のためと割り切っていましたし、音楽事務所に入ったらいっぱい仕事があって、そちらで食べていけたら良いなって、淡い期待を持っていたんです。けど、初めて会うジャズミュージシャンの方と譜面のやりとりや打ち合わせをして本番に向かうということが、もともと音楽教育もちゃんと受けたこともないので、すごくストレスだったみたいなんです。その積み重ねが身体に出たのか、「声帯結節」という病気になって声が出なくなってしまったんです。それでお仕事も全部キャンセルし、静養して喉は治ったんですが、事務所は円満に辞めました。これからどうしようかなと思っていたときに「そういえばパソナにミュージックメイトってあったけどあれはなんだ?」って思いまして。どうやら音楽活動と両立できる支援サービスらしいということを知ったんです。やはり年齢も30代後半ですし、私が人生の大半を会社員として過ごしてきたことはまぎれもない事実ですから、それに合致するシステムがあったという感じですね。ただ、私は音楽活動を職場では内緒にしているんですよ。

永:それは禁じられているわけではないのですよね?

Cさん:禁じられてはいないんですが、今の派遣先に就業をしてからもう5年以上たっているので、丁度音楽は趣味と割り切ってやっていたときだったんです。なので、今更夜に音楽活動をしてお金をもらっていますとは言い出しにくくて。逆のパターンもあって、ライヴでお客さんが私に興味を持ってくれて「昼間はなにやってるの?」とか聞かれると、裏切るような気がして別の仕事をしていますとは言えないんです。だから「ハイブリットな感じでやってます」とかごまかしているんですけど(笑)。だから、正直後ろめたい気持ちもあったので永田さんのコラムを読んで救われた気持ちになったんです。

----どの辺に「後ろめたさ」を感じていたんでしょうか?

Cさん:生活リズム的にはすごくありがたいんです。昼間の仕事があって、収入的に安定して、なおかつその間に音楽をやりたいという気持ちが高まって、モチベーションにもつながるので。でもそれは私中心の考えであって、観に来てくれるお客さんに私が、昼間会社員をしているという事実は見えてほしくないんじゃないかなと思っています。

永:お客さんを裏切るような気がする、というのはCさんの優しさですよね。会社の中に対しては、ずっと「内緒にしてる」っていうのもそれはそれでストレスになるでしょうから、例えば、自主制作でCDを作ったりした時にでも、「いつもお世話になってます、私の一番心のこもったプレゼントです」って上司の方に渡したりするのはどうでしょう。昼間こうして会社で一緒に時間を過ごしながら、夜はこういうことをしているのが自分の一番かけがえのないことなんです、と感謝の一筆を添えて。

Cさん:そうですね、それは今度やってみようと思います。あとは忙しい時期に有給休暇を取って平日に音楽活動をする場合、遊んでいると受け取る方もいるんです。育児が理由で有給休暇を取得する方は職場でも理解されやすいんですけどね。そういうことを感じるとまだまだ、ハイブリットな働き方は認知されないのかなって思っちゃいますね。

永:そこは以前Aさんがおっしゃっていたように、そういうことがもっと認知されるために1人ひとりでどこまで頑張れるかというのもありますよね。それは自分のことだけじゃなくて、やっぱり次の世代のために、という視点もあった方が良いかもしれないですね。本当に切り拓いていってほしいです。だってそういう人が100人でもいたら見え方が確実に変わりますから。

----確かにそうですよね。そうした「新しい働き方」・「多様な働き方」が社会に、より広まっていけば良いと思います。先程Cさんがおっしゃったように育児が理由での休暇は職場でも理解される傾向にあると思うんです。それと同じように音楽活動のために休暇をとるというのも、様々なライフスタイルの1つとして、受け入れられるようになるべきだと思います。そうした理解を様々な場で浸透させていき、社会に発信していくことが大切だと考えています。

Aさん:自分が働いていて思うのは、周りに認めてもらうためにも、自分の態度と働き方で示していくしかないと思っています。初めに音楽をやっているという前提で会社に入ってはいるんですけど、やり方によってはどちらも片手間でやっているって見る方もいるでしょうし、人それぞれの受け取り方があると思うんです。

----職場の方にご自身の演奏を観てもらったことで何か変わったことはありましたか?

Aさん:やっぱり上長が認めてくれていると、周りも認めてくれるというか、「ああ、頑張ってる人なんだ」って思ってくれると職場の空気も変わる気がしますね。もちろん媚びを売るわけではないんですけど、人間関係は大事だなと思います。

Bさん:僕の職場は音楽関係のチケットを扱っているので、理解してくれる方がほとんどなんです。他の会社に行ったらバンドをやってる時点であまり良く思われなさそうですから(笑)。

----Aさんがおっしゃるように、「自分の態度と働き方」で示すと言うのが最も大事だと思います。自分の音楽活動の内容やそれに懸ける想い・真剣さなど、仕事も音楽も全力で頑張っているということが職場の上司や同僚に伝わった時、きっと職場の「理解」から「応援」に変わるのでは、と考えています。

永:このあたりの悩みは、本来は個人で抱えることではなくて、社会が成熟しなければいけないことなんですよね。僕がミュージックメイトに最初に興味を持ったきっかけというのは、「Wキャリアを実現することを応援します」、ではなくて「Wキャリアが認められる社会の実現を目指します」って言い切っていることがすばらしいなと思ったんです。僕らも考えていることは一緒ですけれど、そこは信頼性の高い企業から発信してくださることで別の意義を持ちますから。

----何年かかるかはわからないですし、思っていてもすぐに変わる事ではないですけど、社会に発信し続けてやっていくしかないと思っています。

Cさん:そういう時代が近いうちに来ますかね?

永:はい、来ると思います。少し話しが広がりますけれど、今僕らが生きているのは実はすごい時代で、言い様によっては「人類始まって以来」という人もいるくらいのところです。というのは、今成熟しつつあるインターネットというのは、もともとは60年代のヒッピーの流れの人が「どれだけ人間が平等になれるシステムを作れるか」と考えて始めたものなんですね。例えば、以前なら情報にしても音楽にしても、お金か権力を持っている一部の人だけのものだった訳です。音楽の例で言うと、メジャーレーベルと契約ができる人にしか発信できなかったし、それに3000円出せる人にしか聴けなかったでしょう? けれど今は、例えばYouTubeを使えば、誰でも音楽を聴かせることも聴くこともできる。つまり、その壁をとっぱらったのがインターネットだったんです。歴史を遡ると、そもそも音楽というものは、必ずしもお金に紐つかなくても、みんなどこでもやっていた訳ですよね。それが、16世紀に印刷技術の普及をきっかけに楽譜として広がるようになり、そこから楽譜を売る産業が生まれます。次に、今から100年ほど前に今度は録音の技術が登場すると、楽譜に続いてレコード盤を複製して音源を売る産業になっていったんです。レコード会社が登場する訳ですね。ちょうど、20世紀は大量複製大量消費の時代だったと言われます。音楽がどう売られてきたかを見ると、初期のアナログ盤に始まって30年前にCDになり、10数年前からはデータのダウンロードというように形は変えてきましたが、実は大量複製して売るものが大きい円盤から小さい円盤、そしてデータになった、というだけのことで、本質は変わっていなかったんですね。ところが、今は遂にSpotify(スポティファイ)に象徴されるストリーミング型というものが登場しています。クラウドという概念で語られますが、これは、複製物を買って個人で所有するのではなくて、インターネット上に大きな図書館を作って、みんなでそこに聴きに行けるようにしよう、共有しようという発想です。所有でなく共有ですから、根本的に、これまでとはもうまったく違うんです。だから、大量複製で成り立っていた産業は当然そのままでは先行かなくなる訳ですけれど、一方で僕らが音楽のことだけ考えてみれば、何百年、一部の人に独占されていたものが開放され、平等になりつつあるということなんです。聴き手にとっても、作り手にとっても。生きているうちにこの転換期に立ち会えるというのはすごいことなんだ、と僕は考えています。

Cさん:本当に大きな転換期なんですね。いまだにCDを出していないと一人前扱いしてくれないライヴハウスとかお店もあるので、そうじゃなくなっていくということですね。

永:ええ、そういう意味では、お店側も耳と姿勢が問われる時代になっていくと思います。だから今は本当に面白い、やりがいのある時代です。大変だと思いますけど、後から来る人にも道を拓いている訳ですから。

----こうしてミュージックメイトのスタッフの方にお集まりいただき、貴重なお話が聞けて良かったです。今回のお話のようにそれぞれのライフスタイルが受け入れられる職場・社会があれば、皆さんの音楽活動への理解・応援も周りから得られてくるはずだと考えています。皆さんが自信と誇りを持って活動を続けられるよう、また、それが受け入れられる社会となるようお手伝いしていきます。もちろんこれまで通り、音楽活動を両立しやすいお仕事のご案内も引き続きしておりますので、皆様の周りにも悩んでいる方がいらっしゃったら、是非、ミュージックメイトをご案内くださいね。


インタビュー:永田純×ミュージックメイト×ミュージックメイトスタッフ (ライター:岡本 貴之)

◆今回で全コラムが終了し、永田純氏のセミナーを9月4日(木)に開催します! 皆様のご参加をお待ちしております。
永田純氏のセミナーはこちらから

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プロフィール

永田純 ナガタジュン 音楽エージェント/ プロデューサー。
1958年東京生まれ。70年代中頃よりコンサート 制作等にかかわり、79-80年、YMOのワールド・ツアーに舞台スタッフとして同行。84 年 坂本龍一アシスタント・マネージャーを経て、85年以降、矢野顕子、たま、大貫妙 子、レ・ロマネスクらをマネージメント、細野晴臣、友部正人、野宮真貴、マルセル・ マルソーらを代理した。プロデューサーとしては 東京メトロ、六本木ヒルズ、東急 文化村、J-WAVE、世田谷文化財団等の主催公演、NHK「みんなのうた」、セサミストリー ト日本版テーマ・ソング、スタジオジブリ「ホーホケキョ となりの山田くん」サウ ンドトラック等にかかわる。また、オーディオ代理店、音楽出版等を手がけ、2011年 秋に設立された“独り立ちするミュージシャンのためのパブリックサービス”一般社団 法人ミュージック・クリエイターズ・エージェント代表理事を務める。京都精華大学 ポピュラーカルチャー学部教授。有限会社スタマック代表。元・東京シュタイナーシュー レ理事。著書に「次世代ミュージシャンのためのセルフマネージメント・バイブル」 「次世代ミュージシャンのオンガク活動ハンドブック」。

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