業界
BPO・アウトソーシングサービス
効果
業務効率化

急成長企業の人事基盤を刷新。
パソナと挑んだkintone HR “情報一元化”プロジェクト

会社の核となる人事情報。急成長と共に管理に限界が生じていた

株式会社ウィリッチは、電話代行・営業代行サービスを展開する成長企業だ。2023年に士業事務所内のコンタクトセンター部門の独立に伴って設立されて以来、わずか数年で従業員規模を順調に伸ばしてきた。しかし組織の拡大とともに、従来のExcelや共有フォルダを用いた人事情報管理には限界が見え始めていた。例えば、入退社手続きや勤怠申請、各種届出といった情報が社内のあらゆる場所に散在し、参照や更新のたびに“どこに保存されているのか?”を探す非効率が常態化していたのである。

同社が課題を明確に認識したのは、2025年。会社が二期目に突入し、急速な成長で人員が増え続けるなかで、これまでの管理方法では今後の拡大に耐えられないという危機感が生まれていた。

そこで、人事情報を正確かつスピーディーに扱える“一元管理の仕組み”の検討が本格化した。日々変化の大きい成長企業において、担当者ごとに情報管理が分散する状況はリスクが高かったからだ。本間 友也代表取締役社長は「従業員のデータを1つに集約し、誰でも正しくアクセスできる状態にしたかった」と語る。こうした明確な目的のもと、同社は人事情報管理の抜本的な改善に向けてシステム導入を検討し始めたのである。

決め手は “信頼”と“kintone HRの柔軟性”

代表取締役 社長 本間 友也 氏 代表取締役 社長 本間 友也 氏

世の中には多くの人事システムが存在し、CMや電車広告で見かけるSaaSも含め、ウィリッチは幅広い選択肢を徹底的に調査した。しかし、多くのサービスは特定機能に特化しており “1つで全部対応できる”といえるものはなかなか見つからなかったという。そんななかで同社が出会ったのが『kintone HR』だった。
「さまざまなサービスを調べましたが、私たちの要件を1つのプラットフォームで満たせるものはほとんどありませんでした。ですが『kintone HR』であれば、やりたいことを全て実現できると感じたことが、導入を進める大きなきっかけになったのです」(本間氏)。

同社が人事システムに求めた最重要要件は「従業員情報を一元的に管理できること」さらに「従業員からの各種申請・評価・1on1の記録を、社員マスターと紐づけて一体で管理できる仕組み」を必須とした。こうした運用が1つのプラットフォーム内で完結できる点こそ『kintone HR』が選ばれた理由である。

導入に向けたプロセスは以下の観点で進められた。
■kintoneを活用して人事業務を管理できるように自社仕様にカスタマイズできるパートナー企業を検討
■人事労務系・人材系SaaSを比較したなかで『kintone HR』を検討

このプロセスの中で、同社はパソナと接点を持った。パソナはkintoneを活用して人事業務管理ができる『kintone HR』を展開していて、さらに高度なカスタマイズにも対応ができる点が魅力的だった。さらに複数候補の中でも、実績と柔軟な対応力が突出し、最終的に同社のパートナーとして選定した。本間氏は、当時を振り返りこう語る。「幅広い業種のお客様を支援されている点から、当社の課題に対しても必ず解決策を示していただけるだろうと期待していました。実際に具体的な提案もいただき、大変満足しています」

さらに決め手となったのは、導入後の運用まで見据えた説明のわかりやすさだった。システムを導入して終わりではなく「どう使い、どう育てていくか」という視点を示したパソナの姿勢に、同社は強い安心感を抱いたという。こうしてウィリッチは、パソナを正式なパートナーとして迎え『kintone HR』導入プロジェクトを本格的にスタートさせた。

要望をかたちにする、パソナの丁寧な寄り添い

導入プロジェクトが始動すると、どのようなことから着手したのか――。
要件検討には、実務を担う各部門の部長に加え、システムを主に利用するコーポレート部門のスタッフが参加した。ウィリッチでは等級制度を採用しており、等級ごとに求める役割や行動が異なるため、評価項目や評価ロジックも複雑だ。自社に最適化した制度を構築するには、細かな項目設定や条件分岐を含む多岐にわたるカスタマイズが不可欠で、その精度を担保するために専門家のサポートが必要だと判断したという。

導入にあたり本間氏は「特別な準備はしていません。ただ、“何を実現したいのか”を明確に言語化し、自社の方向性を整理したうえで、パソナ様に要望を伝えられる状態を整えました」と振り返る。そしてウィリッチ側の要望が明確だったことが、プロジェクト成功の鍵だったとパソナも述べる。

また同社は「成長を楽しみ、豊かな社会を創る」をミッションに掲げ、社員一人ひとりが成長を実感できる環境づくりに力を注いでいる。努力を正当に評価し、適切にフィードバックできる制度の整備は、創業当初からの重要なテーマであり、今回のプロジェクトもその延長線上にあった。

カスタマイズの工程では、パソナ側の“気配り”が随所に感じられたと本間氏は語る。「開発の進め方を最初に丁寧に説明いただけたことで、こちらも“何を事前に検討すべきか”“どこは相談しながら進められるか”といった見通しが立ち、安心して取り組むことができました」
さらに、同社が判断に迷う場面ではパソナ側が意図を丁寧にヒアリングし、翌週には2~3種類の具体的な選択肢を提示。それぞれについて、

「Aパターンなら画面表示はこうなる」
「Bの場合は一部手動が発生する」
「Cは完全自動化が可能」

と運用面のメリット・デメリットまで示したことが、意思決定を大きく後押しした。その動き方や運用負荷まで丁寧に比較説明したことで、同社は迷うことなく最適な方法を選択できたという。“相談すれば翌週には必ず形になった提案が返ってくる”——。
パソナのスピード感と寄り添う姿勢が、同社の大きな信頼につながった。

伴走支援が生んだ“使える人事基盤”

『kintone HR』を導入してまだ約1ヶ月だが、これまで複数のシステムを横断して確認していた申請情報が、現在は1つの画面で全て追えるようになり、担当者の負荷は少しずつ軽減されている。

履歴や進行状況が明確に可視化されたことで責任の所在が明らかになり、組織全体の透明性向上にも寄与することが期待されている。「必要な情報を探すところから始まる」非効率が解消されたことで、業務はワンクリックで完結するレベルに洗練され、担当者からは“探すムダが消えた”という評価も上がっている。また、この導入プロジェクトを振り返り、本間氏はパソナに対する“相談のしやすさ”についても強調する。

「パートナー企業の担当者によっては“こう言いたいけれど言いづらい”と感じる場面も正直あります。しかしパソナさんには、遠慮なく相談できました」(本間氏)

パソナ側の柔軟かつ的確な対応により「多少の要望も受け止めてもらえる」という安心感が生まれ、本音で意見を交わせる関係性が構築された。重要な人事制度に関わるプロジェクトであったからこそ、この“風通しのいいコミュニケーション”は大きな意味を持ち、双方が目指すゴールを明確に共有できたことで、ムダのないスムーズな進行につながった。

さらに、週次ミーティングによる伴走体制も高く評価されている。定期的な打ち合わせで「どこまでをいつ決めるか」が明確になり、プロジェクト全体に適切な区切りとスピードが生まれた。ファシリテーションを含めて安心して任せられたことで、ウィリッチ側は常に明確なステップを踏みながら前進できたと振り返る。

低コストで成果を生む人事基盤づくりを実現

パソナと共に構築した仕組みにより、ウィリッチでは主要機能から順次、運用への落とし込みが進んでいる。システム導入でありがちな“作ったのに使われない”という事態を避けるため、未開発部分についても既存の運用をどう組み込めば情報が一元化されるか、社内説明会を通じて浸透させている段階にある。

導入からまだ1ヶ月で定量的な効果を示すのは難しいものの、導入効果として、ウィリッチはまず“作業工数の削減”を重要な指標と捉えている。

また『kintone HR』を選定した背景には、ランニングコストを極力抑えたいという意図があったと話す。同社ではもともと全従業員にkintoneアカウントを付与して運用しており、他社の人事労務系・人材系SaaSや承認ワークフローを追加すると、運用コストが上がる懸念を抱えていた。今回のカスタマイズは既存アカウントで運用できたため、費用対効果面で既に大きな成果を上げていると評価。その他の導入メリットについて、本間氏は次のように語る。

「今回の仕組みでは、採用から入社後まで一貫して情報を追える点に、期待以上の価値を感じています。どの求人で、どんな期待を持って入社したのかを理解できるようになったことで、本人の志向と現在の業務を結びつけて捉えられるようになりました。結果として、評価のぶれや誤解を減らし、社員が安心して成長できる環境づくりにも役立つと考えています」
続けて、「会社の成長に合わせて、人事制度や管理の仕組みもアップデートしていきたい。“その過程もパソナさんと一緒に進められると心強い”です」と期待を寄せる。

ウィリッチにとって、パソナは単なるシステム導入ベンダーではなく、企業の成長をともに支えるパートナーに位置付けられている。日々の小さな業務を整えることが、結果として大きな生産性向上につながる――。その実感を、パソナの伴走支援が確かに後押ししているようだ。


kintone HRは、煩雑になりがちな採用管理をスマートに一元化できるクラウド型アプリです。
履歴書や選考ステータス、面談評価といった情報をチームで共有・管理できるため、担当者間の連携がスムーズになり、選考の精度とスピードが向上します。さらに、変更履歴の自動記録や自社に合わせた柔軟なカスタマイズも可能。
kintoneとの連携で既存の業務システムとも無理なく統合できるため、採用業務の効率化と品質向上を同時に実現できます。
今の採用フローに課題を感じているなら、導入を検討してみませんか?
kintone HR Powered by PASONA

株式会社ウィリッチ

代表取締役社長 本間 友也 氏

インタビュー日時:2026年1月27日

業界
技術商社
効果
内製化支援

RYODENがパソナと共に挑む、クラウド開発内製化の現在。「共に成長を目指せる協業先」としての伴走型内製化支援。

クラウド開発チームでの変化が、組織の“変化の種”になる

戦略技術センター 開発技術部 基盤開発グループ 川上 貴徳氏 戦略技術センター 開発技術部 基盤開発グループ 川上 貴徳氏

DXやクラウド活用が叫ばれ、ビジネスの潮流が目まぐるしく変化する今の時代、自社でエンジニア組織を持たない企業は大きな選択を迫られている。外部に頼り続けるのか、それとも内製開発できる会社を目指すのか――。今回、登場するRYODENが後者を選択したのは2022年のことだった。
「以前は、新たにサービスを作る際は“外注”という選択肢しかありませんでした。ところが、ビジネススキームが驚異的な速さで変わる時代において外注のみに頼っていると、どうしても他社に置いていかれてしまう。自分たちで開発できないと、世の中のスピードについていけない。そんな危機感がありました。」と話すのは、戦略技術センター 開発技術部でクラウドチームを率いるリーダーの川上貴徳氏だ。

年々デジタル技術を必要とする場面が増えてくるなかで、川上自身、外注中心の開発体制に限界を感じていたと当時を振り返る。その後、2023年にRYODEN内で戦略技術センターが新設されると、開発の内製化が開始された。ただし初期メンバーはごくわずかだったという。
「開発経験があるエンジニアは、ほんの一部でした。正直なところ、開発スピードはさほど早くはなかったというのが、当時の印象です。」(川上氏)

約2年が経過した現在、戦略技術センター・開発技術部は22名体制となり、クラウド開発チームの構成メンバーは、専任5名、兼任3名を含む少数精鋭チームとなっている。ちなみに今回インタビューに参加してくれた熊谷氏は、AI開発などの複数の部門を兼務している。兼任するエンジニアがいるのは、チーム間の連携を強化する狙いもあった。

「クラウド開発チームを立ち上げた当初は、案件数がそれほど多くはなかったということもあり、まずは自分たちの手でやってみようという方針でした。ノウハウを身につけるため、多少時間がかかっても外部には頼らず開発を進めていました。そうしたなかで、ネズミ・害虫の遠隔監視ソリューション『Pescle(ペスクル)』が軌道に乗り、他のサービス開発にも取り組むようになりました。このころから開発案件が一気に増え、人手不足が顕在化してきたのです。この先も内製開発を進めていくには、社内のエンジニア力をさらに高める必要がある。そう考え、私たちと同じ目線・目標で伴走してくれる協業先を探すことにしました。」(川上氏)

「共に成長を目指せる協業先」――パソナとの出会いと伴走支援

開発の内製化を加速するためにはパートナーが必要と考え、協業先を探すことになったRYODEN。パソナを含めた2、3社から提案を受けた。ただ2018年ごろから事業部門でパソナとは既に取引関係にあったという。新たにサービスを作る際、クラウド環境の構築や、複数ツールを組み合わせた状態でも処理速度が向上する「負荷分散/並列処理」を導入するプロジェクトを共に推進した経験があり、RYODEN社内でのパソナに対する評価は高かったという。それに加えて、開発経験が豊富で知見があることも協業先を決めた大きな理由だったと川上氏は話す。
「これまで、外部の方に入っていただきながら開発した経験がありませんでした。ですから最初は、本当にそんなことできるのだろうか?という半信半疑の気持ちもあったというのが正直なところです。でもパソナさんは、ただ開発体制を提供するだけでなく、どうすればRYODENでの開発内製化を推進できるかに徹底して向き合ってくれました。そこが他社との決定的な違いでした。」(川上氏)

戦略技術センター 開発技術部 先行開発グループ 熊谷 雄太氏 戦略技術センター 開発技術部 先行開発グループ 熊谷 雄太氏

提案を受けた中からRYODENはパソナを選び、2024年9月からパソナのエンジニアたちが開発の内製化を伴走支援することになった。とはいえ、初期のころはまだRYODENでも内製化に着手して間もないということと、外部メンバーとの開発は初めてということもあり戸惑ったと話すのは、現場でエンジニアとして活躍する熊谷雄太氏だ。では、どのように信頼関係を築き上げていったのかを伺うと、
「会社は違ってもお互いエンジニア同士なので、プログラミングという共通言語があるんですよね。だから技術的な話をしたときに通じやすいという前提があり、会話のスタート地点が合っていました。これは大きかったと思います。さらに、困ったときに相談を持ちかけると、単なる対処法だけでなく“プロジェクトとしてどうあるべきか”という視点で一緒に考えてくれました。このようなコミュニケーションの積み重ねによって、自然と心理的安全性が生まれたのではないでしょうか。」(熊谷氏)

戦略技術センター 開発技術部 基盤開発グループ グループリーダー 前田 一眞氏 戦略技術センター 開発技術部 基盤開発グループ グループリーダー 前田 一眞氏

同じく現場でエンジニアとして活躍する前田一眞氏は、次のように振り返る。
「パソナさんが参画するようになると、毎朝10時からミーティングを行うようになりました。そこでは、わからないことや確認すべきことがあるたび会話を重ねていきました。またRYODEN側から仕様を伝えると、ただ指示通りに作るだけでなく“ここはもっとこう改善したほうがいいのでは?”といった提案までしてくださった。単なる受託開発にとどまらず、新しいプロダクトを一緒に作り上げているという実感がありました。こうした対話を繰り返すことで、両社が単なる業務委託の関係ではなくなっていったのだと感じています。」(前田氏)

やがてRYODENとパソナの混合チームは、実際のプロジェクトを進めながら、開発状況の見える化や各自タスクの透明性の強化、チーム力の見える化、スキル向上などに取り組んでいった。そして戸惑いながらも少しずつ、しかし着実に信頼関係を築いていった。

技術と対話の両輪で、生産性が2倍に向上

パソナの伴走支援が始まった後、特に大きな変化として挙げられるのが“振り返り文化”の定着だったという。そして、パソナの提案で始まったスクラム手法※1での開発は、今ではRYODENにおけるクラウド開発チームの標準スタイルとなっている。
「スクラム手法を導入する前の打ち合わせは、基本的に“作業の報告”にとどまっていました。まさに“ビフォア・スクラム”とも言える状態だったと思います。しかしスクラム手法を取り入れた後は、“次のアクションをどうするか”という前向きな議論が生まれました。悩んでいることや困っていることを率直に共有し、チームで解決策を考える。建設的な会話が増えたことで、定例会議が以前よりもずっと意味のあるものになったと感じています。」(熊谷氏)
「私も、スクラム導入後にチームの雰囲気が大きく変わったことを実感しています。今では、週に1回の振り返りの場で、単なる作業報告から一歩踏み込み『ここは改善できるのではないか』といった意見交換が自然と行われるようになりました。このような取り組みを通して、チームの成長を実感できるようになりましたね。」(前田氏)

こうした現場エンジニアたちの声を裏付ける数字が出ていると、笑顔で話すのはリーダーの川上氏。システムへの仕様の理解が深まったのか、伸び悩んでいたエンジニアの開発スピードが一気に加速し、プルリクエスト(Pull Request・以下プルリク)※2の数も増えたと話す。
特にスクラムマスターとしてチーム全体の調整役を担うパソナ・大杉明里氏がプロジェクトに参加し始めた2024年12月の生産性は、内製開発を始めた当時の2倍近くに大幅アップした。
「プルリクのクローズ(処理)にかかる時間も短くなっています。もちろん、時間が文字通り半分になったわけではありませんが、プルリクの数が増えた分、処理スピードもアップし、効率が良くなっていることは明らかです。おそらく、プルリクの単位や内容も改善され、タスクを適切に処理できるようになったのではないかと考えています。」(川上氏)。
このようにRYODENでは開発内製化とアジャイル転換への重要な一歩を踏み出した。

※1:スクラム手法…短い期間で開発と振り返りを繰り返すアジャイル手法の一種。変化へ柔軟に対応しながら、チームで効率よく成果を出すことが可能となる。
※2:プルリクエスト(Pull Request)…機能追加やバグの修正などについて、開発者が自分のコード変更をチームに共有し、レビューを依頼してメインのコードへ統合を提案する仕組み。

社内開発の内製化は“目的”ではなく“手段”――その先にあるビジネスの変革へ

順調に開発スピードが上がりチーム力が強化されているなかで、今後パソナのエンジニアは、フルリモートと対面の勤務スタイルを組み合わせる柔軟なスタイルを取り入れるという。

「現在、RYODEN様といくつか企画を進めていますが、その一つに“人材の交流をさらに活性化させること”があります。例えば、プロダクトを作るプロセスのなかでワークショップを企画したり、参加者の皆さまと新たな取り組みを進めたりします。また、完成したプロダクトを一緒に営業していくなど、それぞれが連携しながらビジネスを加速させていける関わり方ができればと考えています。お互いの事業がさらに前進できるような協働の形を一緒に作り上げていきたいですね。」(パソナ営業・建部信幸氏)

株式会社パソナ X-TECH Dotank事業部 プロダクト開発チーム 大杉 明里 株式会社パソナ X-TECH Dotank事業部 プロダクト開発チーム 大杉 明里

RYODENと対面での開発を行うことに対して、パソナの大杉氏は「出社することで、体力的に負担が増える面はあります。しかしその一方で、コミュニケーションがよりシームレスになれば開発効率の向上にもつながるのではないか、という期待感もあります。」と話す。他にも、エンジニア同士の空気感――例えば“今ちょっと詰まっていそう”などの気配は、出社しているからこそ共有できるものだと指摘する。そうした小さな気づきがあればチーム全体での開発がしやすくなり、よりスムーズな連携につながるのではないかと期待感を寄せる。

一方で、エンジニアは一般的にリモート勤務が主流となっている世の中の流れの中で、あえて対面での開発を進めることをどのように感じているのだろうか?

RYODENの熊谷氏は「私たちも、フルリモートでうまくいくケースが多々あることは理解しています。ただパソナ建部さんからの『顔を合わせてやってみませんか?』という提案に関して、さらに生産性が上がる可能性を感じました。もちろん、対面が必ずしも効果的でないケースもあると思いますが、まずはトライしてみたいという気持ちです。正直不安はありますが、それ以上にチーム内にどのような変化が生まれるか楽しみですね。」と話す。

またRYODENの前田氏は「私は、エンジニア同士で会話しながら開発を進めるスタイルが比較的好きなタイプです。もちろん出社したからといって、必ずしも生産性が上がるとは限らないでしょう。それは、人それぞれの性質や働き方のスタイルに左右される部分が大きいからです。ただ、パソナさんとの取り組みでも試してみたいという気持ちがあります。これは生産性の向上を狙ってというよりは、チームの一体感や空気感を共有することで得られるメリットがあるのではないか、という期待感からですね。」と話してくれた。

“自分たちでサービスを作れるようになる”ことは、ゴールではない。その先にある“自分たちで新しい価値を生み出せる会社”になること――それが、RYODENのクラウド開発チームが目指す未来だ。
「プロジェクトを管理できる人材にも限りがあります。だからこそ、パソナさんはこちらから課題をお渡ししたらその後は自律的に動いてくださるのが、我々としては何よりありがたいと感じています。まさに、理想的な伴走支援ですね。」(川上氏)
クラウド開発チームの歩みはまだ始まったばかりだが、変革の兆しが、着実に形となりつつある。クラウド開発チームが目指すのは、全社的なDXのけん引役として、スピーディかつ柔軟に、現場の課題やニーズに応えられる開発チームだ。単なる開発リソースではなく、ビジネスの変革をドライブする戦略的パートナーとして、社内外から頼られる存在へ。現場に根ざした挑戦は、これからも進化を続けていく。


パソナは、ビジネス変革やDX推進を目指す企業に対し、アイデア創出から開発、事業化までの一連のプロセスを内製化するためのご支援をいたします。
「ビジネス変革内製化支援サービス」とは、パソナがお客様とワンチーム体制を構築し、「アイディエーション」「共創型開発」「事業化検討」の3つのサイクルを一気通貫で伴走するソリューションです。これらの支援は、企画・開発フェーズにおける課題の迅速な解決、新たなビジネス価値の創出、そして最終的に顧客企業が自らの力で自走できる組織づくりを実現することを目的としています。
ビジネス変革内製化支援サービス

株式会社RYODEN

戦略技術センター 開発技術部 基盤開発グループ グループリーダー 前田 一眞氏
戦略技術センター 開発技術部 基盤開発グループ 川上 貴徳氏
戦略技術センター 開発技術部 先行開発グループ 熊谷 雄太氏

インタビュー日時:2025年5月13日

業界
情報・通信サービス
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社会課題解決

マイナンバーカード見守り・健康増進システム

マイナンバーカードを使った社会課題の解決への取り組み

有効性を住民に十分に提供できておらず、眠れる資産となっているマイナンバーカード。
本取り組みでは、まず町内のさまざまな施設でマイナンバーカードのワンタッチ認証を行い、地域ポイントを付与することにより、常時携帯の土台を作りました。そこから得られる情報を高齢者・子どもの見守りや非常時の避難所ソリューションへ活用し、マイナンバーカードを携帯することによる、地域の「見守り」「つながり」 「盛り上がり」力を向上させ、アナログとICTの融合による地域住民が安心して暮らしやすくなる町づくりをめざしました。

マイナンバーカードで使うサーバーレスアプリケーションを開発

マイナンバーカード  見守り・健康増進システム マイナンバーカード 見守り・健康増進システム

「住民の皆様にどうやったらシステムを便利に使ってもえらえるのか」を繰り返しミーティングで議論しながら、業務フローの整理から着手。
顧客とパソナでそれぞれ案を練りながら協力して要件や運用イメージを固めました。
アプリのデザインは社内のデザインチームと連携し、顧客の公式Webサイトのイメージに合わせて統一感のある内容にしました。
プロジェクトメンバーは東京、島根、福岡の各拠点から参画。
意識合わせを毎日行いながらリモートで開発を進めました。
システムはクラウド上にサーバーレス構成で構築。
プロジェクト後期には現地に行きシステムの試験を行いました。

担当範囲

提案/要件定義/設計構築/保守運用/デザイン

技術

AWS / IoT / Nuxt.js / Vue.js / Python

期間

開発: 2023/4 〜 2024/3
保守: 2024/4 〜 現在(2024/11)

費用

開発費:約7,000万円


今回ご紹介した事例に対してパソナでは以下のサービスで解決させていただいています。

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総合商社
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DX推進

発注管理をデジタル化
長年の課題にアプローチ

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BunkerNote(バンカーノートプロジェクト)

(1)紙の印刷(FAX含む)が主流だった船舶用燃料の受発注をクラウドで一元管理できるシステムを開発

(2)船舶燃料の受発注関係者間でリアルタイムな進捗共有と可視化

(3)書類の送付や保管/手入力による転記などの作業が不要となり、船員の労働負荷を大幅に軽減

船舶燃料業界に深く根付く、アナログな商慣習

トヨタグループの総合商社として、金属、ロジスティクス、自動車といった7つの事業領域をグローバルで幅広く展開する豊田通商。同社はカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現に向けた事業強化のために、2030年までに1.6兆円規模の投資を実施すると表明するなど、脱炭素時代のでも成長を持続する方針を打ち出し、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みを加速させている。

これらの取り組みの一つとして、カーボンニュートラルフューエル部サステナブルソリューショングループに所属する吉田亮平氏が着目したのが、国内を航行する「内航船」の船舶燃料受発注に関する長年の課題だ。船舶燃料販売において豊富な実績を持つ吉田氏は、現状の課題をこう語る。

豊田通商株式会社//カーボンニュートラルフューエル部//サステナブルソリューショングループ//グループリーダー 吉田亮平 氏 豊田通商株式会社//カーボンニュートラルフューエル部//サステナブルソリューショングループ//グループリーダー 吉田亮平 氏

「内航海運業界の9割以上は中小・零細企業が占めているため、IT投資の余力が限られており、業界内のDX(デジタルトランスフォーメーション)が大きく遅れていることが長い間課題となっていました。また、船員の高齢化が進んでおり、半数以上を50歳代以上が占めていることも、IT化に遅れをとっている理由の一つだと思います。現場では電話やファックス、そして紙の資料を使用することが多く、アナログの商慣習がまだまだ根強く残っているのが現状です」(豊田通商・吉田 氏)

船舶用燃料の受発注にあたっては今でも主に電話やFAXが使われる。船員は電話で内容を把握した後、船上で発注書や納品書を手書きで作成し書類の処理や確認を行う。こうした一連の作業に多くの時間を要することは自明だ。

「ほかにも船舶業界ならではの特徴としては、関係者が非常に多いことが挙げられます。内航船会社や燃料サプライヤー、そして燃料配給船会社など、一つの取引に関連するステークホルダーが多いため、一社のみがデジタル化を進めても、総合的な効果につながりにくい。また、それぞれが個別の資料を作成していることで、確認や送付に時間がかかるといった問題も発生していました」(豊田通商・吉田 氏)

業界の課題をデジタルの力で解決する

こうした課題に対して吉田氏は、豊田通商社内の新規事業創出プロジェクト「Toyotsu Inno-Ventures Project(トヨツウイノベンチャーズプロジェクト)」を通じて、内航船舶向け燃料の受発注業務、そして納品受領書(Bunker Delivery Note:BDN)のデジタル化を発案。船舶燃料受発注を一元管理するクラウドサービス「BunkerNote」(バンカーノート)の開発を進めた。

その一環として、2020年からはパソナテックとともにPoC(概念実証)を開始。内航船会社へのヒアリングや実証実験を進めるなかで見つけた課題に一つひとつ向き合い、改善を続けた。プロジェクトの実施責任者としてシステム開発を担当したパソナのエンジニアの水野は、当時を振り返ってこう語る。

(左)BunkerNote(バンカーノートプロジェクト)//実施責任者 エンジニア 水野 将史//(右)株式会社パソナ X-TECH DoTank事業部//DXソリューション第1チーム 森川 稔也 (左)BunkerNote(バンカーノートプロジェクト)//実施責任者 エンジニア 水野 将史//(右)株式会社パソナ X-TECH DoTank事業部//DXソリューション第1チーム 森川 稔也

「我々パソナ側は、船舶の知識や関連する業務経験を全く持ち合わせていなかったため、実際に現場を複数回訪ね、船舶用燃料を供給する作業などに立ち会いながらシステム開発を進め、課題を洗い出していきました。

やはり現場に行かなければわからないことは、非常に多かったと思います。たとえば、船舶や海上では電波が非常に不安定になりやすいということが浮き彫りになりましたし、現場の方が使いやすいデザインを設計する必要性も痛感しました」(パソナ・水野)

これまで長い間紙の資料のやりとりに馴染みがあった現場の船員に対して、デジタル端末を使ってさまざまな操作を求めるのは難しい。そこで水野は、デザイン面での工夫を重ねていった。

「画面はできるだけシンプルに、そして文字を大きくするなど、使いやすさにできるだけ心を配りました。また、実際に記入を求める箇所は最小限にし、内容を確認して署名をするだけの画面設計にするなど、現場の方が本当に使いやすいシステムやデザインの実現に向けて、膝を突き合わせて実証実験に取り組みました」(パソナ・水野)

海外展開を見据えた、業界をリードするプロダクトを開発

こうしてPoCを終えた豊田通商は2021年6月、内航船会社や燃料サプライヤー、そして燃料配給船会社向けにバンカーノートの提供を開始。ブロックチェーン技術を活用した、船舶向けの燃料や潤滑油の受発注を一元管理するクラウドサービスは、業界初の試みだ。

現在提供しているバンカーノートでは、燃料の発注や受注にあたって、パソコンやタブレット端末から情報を入力できる。これまで紙と手作業で行っていた船舶燃料の発注から受注、納品確認、請求書発行、受領までをオンラインで処理できるほか、関係者間でリアルタイムに情報を共有できる。

「バンカーノートを導入していただくことで、船舶燃料の受発注業務にかかる作業時間を大幅に削減することができます。また、関係者間でリアルタイムに進捗を共有することができるため、書類の送付や保管、情報の整合性の確認、手入力による転記などの作業が不要となり、船員の労働負荷軽減につながります。こうした省力化によって生まれた新たな時間を使って、船の本業である安全運航業務にリソースを集中していただけるようになるのが、最大のメリットだと考えています」(豊田通商・吉田 氏)

さらに、燃料受発注に関わる取引情報をブロックチェーンでつなげることで、データの信頼性を担保している点も、バンカーノートの特徴の一つだ。これまでIT/デジタルの知識や経験は「ほとんどなかった」という吉田氏は、パソナテックと共同で行った一連のプロジェクトを振り返って、こう話す。

「プロジェクトの実施責任者である水野さん、そしてパソナテックさんには、私たちが“こういうことをしたい”と口頭で伝えていたイメージを一つひとつ具現化していただきました。プロダクトのイメージを感覚的に理解してくださったのも、非常にありがたかったですね。また、トラブルが生じた際にすぐにご対応いただけことも安心感につながりました」(豊田通商・吉田 氏)

こう聞いた水野は、プロジェクトの実施責任者として感じたことを続ける。

「船舶業界の長年の課題にアプローチしているバンカーノートの開発の一端に関わらせていただいたことを、非常に誇りに感じます。今後もより良いプロダクト開発を目指すなかで、ご一緒できる部分があれば嬉しいです」(パソナ・水野)

現在は国内の船舶燃料販売に特化して開発、そして展開しているバンカーノートだが、吉田氏はすでに世界を見据えてさらなるアップデートを検討している。

「船舶燃料の受発注業務の効率化はもちろんのこと、今後は船で利用する部品や船用品の調達なども行えるような機能の拡張を行いたいと考えています。

これまで手作業で時間をかけて行っていた業務のデジタル化を進めることは、船員の働き方を変え、業界内の働き方改革にもつながります。今後はバンカーノートを、船舶燃料に関わる事柄をワンストップで対応できるプロダクトに発展させ、世界を見据えて展開していきたいと思います」(豊田通商・吉田 氏)

船舶向けの燃料受発注を一元管理するだけでなく、関連する業務をオンラインで行えるクラウドサービスの開発、そして海外展開も視野に入れている吉田氏。脱炭素やDXというのは、協力者や仲間が多く集まれば集まるほど、実現がより現実的に、かつ具体的になる。そしてIT技術を活用して安全性や効率性を高めることは、船舶業界や関連する人々の未来を変えるに違いない。

※2022年10月1日、株式会社パソナテックは株式会社パソナを承継会社とする吸収分割を行いました。

豊田通商株式会社

豊田通商株式会社 カーボンニュートラルフューエル部
サステナブルソリューショングループ グループリーダー 吉田亮平氏

BunkerNote(バンカーノートプロジェクト)実施責任者 エンジニア 水野将史

インタビュー日時:2023年1月14日


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教育関連
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DX人材育成

DX人材育成・
ビジネスモデル変革を支援

課題

近年、お客様からの要望がデジタルに寄ってきていて、ビジネスモデル自体を変革する必要があり“何から手をつけるべきか?”悩まれていました。新型コロナウイルスの流行もあり、これまでの紙を基本とした教材のサービスや対面で実施する研修は売れ行きが下がってきていたとのこと。IT基盤の構築も早急に進める必要があるが、圧倒的にデジタル人材が不足していて、解決策について悩まれている状況でした。

解決策

パソナテックを知っていただいたきっかけは「DX人材育成」のサービスページをご覧いただいたことです。
何をするにも人員の確保が必要、かつ今の従業員のデジタルスキル向上をはかっていくことが急務であったため「DX人材育成プログラム」を受けていただくことになりました。対象の部署は、IT部門(エンジニア)だけでなく、コーポレート部門や現場の業務担当など多岐にわたり、ステップに分けて座学とハンズオンで“DXとはなにか”を学んでいただきました。

座学の「業務改善ワークショップ」では、実業務の課題をベースに改善案を出し、研修で学んだことを活かしてどのような課題解決方法があるのか、をテーマにディスカッションを行っていただきました。
ディスカッションの後、ハンズオンの研修ではPower AppsもしくはPower Automateを使用してアプリやワークフローを作成、実際の業務をどう改善できるのか、手を動かして学んでいただくことができました。

結果

今後は、部署によってIT基盤の構築や基幹システムの改修、ビジネスモデルの変革を進めていく予定とのことでしたが、これまで「ウォーターフォール型」で進めていたところを、顧客やビジネスモデルの変化に対応できる「アジャイル型」で開発を進めていかなくてはなりません。慣れ親しんだ業務を変えていくことは困難な点も多々あり、マインドも一緒に変えていけるように全社的に変革を進めているようです。

今回の「DX人材育成プログラム」をきっかけに、社員のデジタルスキル向上という課題の他に、親会社やグループ会社とのやり取り・承認フローもシステム化しなければならないという課題が浮き彫りになったとのことでした。今後はグループ全体で“DX推進プロジェクト”として進めていく予定とのことです。

参加者の声(アンケートより一部抜粋)

「身近な課題についてのワークショップだったので、気づきも多かったです。また、今後開発メンバーに業務依頼、やり取りする時にこれまでよりイメージを明確に持ってお話できるので、参加できてよかったです。」
「今回の研修は業務を見直すきっかけになったと思います。改めて業務を見返して、ルーティン作業など自動化できるものをどんどんアプリ化していきたいです。とても勉強になりました。」
「いくつかの研修に参加しましたが、デザインシンキング研修が最も興味深かったです。コミュニケーションの方法など、これまで正しいと思っていたことが意外と間違っていることもあり、考えさせられました。」

期間

・ハンズオン研修:
 13:00~17:00 3日間実施
・業務改善ワークショップ:
 9:00~13:00×1日間、
 10:00~17:00×2日間の計2.5日間実施
・開発OJT:
 毎週1回1時間×1カ月(4~5回)実施

予算

6,700,000円

<内訳>
ハンズオン研修:2,350,000円
業務改善ワークショップ・開発OJT:4,350,000円

※2022年10月1日、株式会社パソナテックは株式会社パソナを承継会社とする吸収分割を行いました。


関連サービス

今回ご紹介した事例に対してパソナでは以下のサービスで解決させていただいています。

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