導入事例

桜美林大学

#業務効率化  #salesforce 

桜美林大学

業界
教育機関
効果
業務改善

学生の学びを、DXの力でサポート
〜桜美林大学でsalesforceを導入〜

国際化戦略を掲げる、桜美林大学の歩み

新型コロナウイルス感染症や少子高齢化の影響をうけ、教育機関をめぐる環境は大きく変化している。国内の大学では、経営基盤の強化に向けたデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みが広がり始め、ICT(情報通信技術)などを活用して業務の効率化を図る動きも見られるようになった。

そのなかで、学校、そして学園全体でDXを加速させているのが、桜美林大学などを運営する学校法人桜美林学園だ。同学園は1946年に開学し、以後約80年間、現在の町田キャンパスを中心にその歴史を築いてきた。

今では幼稚園、中学校、高等学校、大学、大学院と、10,000人を越える園児や生徒、学生が通う。また、2019年には東京都新宿区、20年には同町田市にキャンパスを新設。学生の募集定員を増やすなど、意欲的に拡大を続けている。

学校法人桜美林学園 桜美林大学/学務部 国際交流担当課長 中村 文武氏 学校法人桜美林学園 桜美林大学/学務部 国際交流担当課長 中村 文武氏

学校法人桜美林学園桜美林大学の学務部で、国際交流担当を務める中村 文武課長は、近年大学が目指す方向性をこう語る。

「昨今の社会情勢や建学の精神に則り、私たちは今後、現状よりもさらに世界との交流を増やし、国際的に通用する大学となることを目指しています。具体的なプランとしては、2026年までに、海外から本学へ留学する学生、および本学から海外へ留学する学生の数が、キャンパス全体の15%程度になるように目標を掲げています」(桜美林大学・中村 氏)

情報の一元管理と生産性向上を目的に、留学プログラムのDXを推進

こうした国際化に向けた施策を進めるうえで課題になっていたのが、留学に関する事務的なやりとりの煩雑さと、担当者の大きな業務負担だった。
まず留学にあたっては、学生は出国前に必要書類を全てまとめ、内容に不備や漏れがないかを大学と共に確認し、留学先の大学や各関係者に共有する必要がある。ただ、必要な書類や手続きのプロセスというのは大学や教育機関ごとに異なるため、入念なチェックが求められる。また、一つの留学プログラムには旅行会社や現地の大学、そして保険会社といった多様なステークホルダーが関わっており、情報の連携にも手間がかかっていた。

そこで、学生の個人情報を守りながらスムーズに手続きを進め、関係者間で必要な情報をシェアするために、桜美林大学では2015年頃から留学関連業務のDXを推進することになった。

「私はもともと、本学に学びに来る交換留学生の受け入れ業務を担当しており、2007年着任当時は、オフィスに届く膨大な枚数の書類の確認を全て手作業で行っていました。100通を超える封筒を開け、それぞれの中から10枚綴りの書類を取り出して内容を確認し、正確に文字が判別できない場合は申請者に問い合わせをする。その後、確定した情報を手作業でExcelに記入していたのですが、ふと“これは何かが違うのではないか”と感じ、DXを推進させることにしました」(桜美林大学・中村 氏)

中村氏はまず、学生が書面で提出する形式ではなく、Webフォームから情報を入力し、その後大学側でCSVに連携するプロセスを考案。そして、さらなる利便性の向上を目指し、パソナと共にシステム開発を行った。

「CSV連携を行なった段階で、従来紙で行っていた業務の負担は大きく軽減されました。ただ、管理するデータが100人以上になるとExcelとの相性があまり良くなくて、データベースソフトなどを試験的に導入してみたものの、さらなるブラッシュアップを目指してパソナさんと一緒にWeb上でシステムを開発することになりました」(桜美林大学・中村 氏)

当時を振り返って、パソナの担当営業の大内はこう語る。

「桜美林大学さんとは2011年頃から接点があり、ご縁があって本プロジェクトをご一緒することになりました。当時はニュージーランド南島のクライストチャーチ市で地震が発生したこともあり、留学生の危機管理や情報共有に注目が集まっていました。そこで我々としても、日本で学ぶ留学生、そして海外で学ぶ日本人留学生を対象にしたシステム開発に力を入れることにしました」(パソナ・大内)

salesforceを活用し、留学生の情報管理システムを開発

留学生の情報管理システム開発にあたって、同大学が2015年から導入しているのが、セールスフォース・ドットコム(Salesforce)のシステムだ。同社は、クラウドベースのCRM(顧客情報管理システム)や営業支援システムのほか、マーケティングオートメーションのシステムなどを世界20万社以上に提供している。

本プロジェクトではまず、学生自らがオンライン上で留学申請を行えるシステムを構築し、Webページ上で必要な書類をひと目でわかりやすい設計にした。

「おそらくどの大学も、学生のデータや授業の管理を目的にした基幹システムを構築していらっしゃると思います。しかし、留学プログラム運営に必要な海外の提携機関、危機管理にまつわる情報などは、大学基幹システムだけでは賄えないのではないでしょうか。我々も同様の状態だったため、まずは現状のシステムに不足している部分を補うために、留学生向けの新たなデータベースとしてsalesforceを導入しました」(桜美林大学・中村 氏)

salesforceを導入して一番大きく変わったのは、データを一元管理できるようになったことだと中村氏は語る。これまでは、人事異動などで担当者が変わると、留学プログラムに参加している学生の把握すらも難しく、情報の引き継ぎに課題を抱えていた。しかし現在は、salesforceのシステムに学生番号を入れると、それぞれの学生の留学情報を瞬時に確認できる。また、留学手続きのワークフローが一元化されたことで、新たな留学プログラムが開始される時も、スムーズに準備ができるようになった。

「フィンテックシステムとも連携したことで、海外への請求や国際送金のプロセスも格段に効率的になりました。プロジェクトのフェーズに応じて、必要な機能を随時追加できるのは、salesforceの大きなメリットだと思います」(桜美林大学・中村 氏)

こうして桜美林大学では、学生の留学に関するデータのインプットからアウトプット、そしてデータの保管場所が統一されたことで、部内の業務フローが一元的にデジタルで整理される環境が整いつつある。

「留学生の情報管理システム開発にあたっては、私たちの要望をパソナさんがその都度丁寧に拾ってくださったことで、プロジェクトを進めることができました。担当者の方が、まさに二人三脚で取り組んでくださっていたように感じています。今後は蓄積したデータを学生のキャリア支援に活かすなど、他の教育機関とも連携して、データのさらなる活用を目指していきたいと思います」(桜美林大学・中村 氏)

プロジェクトの今後の展望を聞いて、大内はこう見解を述べる。

「他の教育機関と連携してシステムを開発するというのは、非常に発展性があるように感じますので、引き続きできる限りのサポートをご提供できたらと思います。パソナではsalesforceの担当者と定期的に意見交換を行っております。随時、必要な機能開発について擦り合わせをして参ります」(パソナ・大内)

教育機関と共創するパソナのDX支援とは

パソナでは企業や組織、そして教育機関のDXを実現するために、長年培ってきたITに関するナレッジや総合力を活かし、伴走型のサポートを提供している。

本プロジェクトのように、salesforceのサービス導入・運用支援では、顧客管理の効率化だけでなく、成約率やCX(顧客体験)の向上につながるプランも提案。教育機関向けには、学生のあらゆる情報を一元的に共有できるプラットフォームの展開が可能だ。これは教職員の業務の効率化を促すだけでなく、入学前から入学後まで、学生と大学機関のつながりを強化できるツールにもなり得る。加えて、自治体業務のオンライン化や育成人材の派遣サービスなど、それぞれの組織が抱える課題に応じて豊富なメニューを展開している。

パソナは今後もデジタル技術を活用し、新サービスの創造や生産性向上、コスト削減、そして働き方改革の実現を可能にする取り組みを続けていく。

学校法人桜美林学園桜美林大学

学校法人桜美林学園 桜美林大学 学務部 国際交流担当課長 中村 文武氏
株式会社パソナ X-TECH Dotank事業部 DXソリューション第2チーム 大内 君夫

インタビュー日時:2023年2月22日

※2022年10月1日、株式会社パソナテックは株式会社パソナを承継会社とする吸収分割を行いました。


関連サービス

今回ご紹介した事例に対してパソナでは以下のサービスで解決させていただいています。

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