RPAによる経営資源の最適化と、その先にある未来

昨今、知的生産性の高い業務にシフトすることで競争優位を高める働き方が注目されています。そんな中、定型業務からの脱却の手段としてRPAが注目を集めています。
2017年11月2日に開催したセミナーでは、RPA導入を成功に導くために、導入後のビジョンと、RPAがもたらす効果を経営視点から捉えることが重要であるとし、RPA導入を成功に導くためのポイントを紹介しました。


<パネリスト>
株式会社エイチ・ピィ・ピィ・ティ 代表取締役 MBA/統計士 坂本 裕司 氏
株式会社パソナ Dotank本部 東日本ソリューション事業部 事業部長 薮本 佳典

<トピックス一覧>

働き方改革に必要な取り組み

坂本:

企業が業務改革や働き方改革に取り組む目的は、コストダウン以上に従業員の知的生産性を向上させるという考え方へシフトしてきています。今後、企業の戦略に基づいて、どのような創造力を従業員に発揮してもらいたいのか?、つまり従業員による「テーマ創造力」がこれからの競争優位性を左右すると言っても過言ではないでしょう。
この「テーマ創造力」を発揮させる業務へ時間経営資源を投入できている状態を、生産性の領域では「効果性の向上」と言います。これを実現するためには、既存の時間経営資源から余力を回収する必要があり、そのステップとして「効果性を向上」させる前に「効率性の向上」から取り組むことになります。

引用:株式会社エイチ・ピィ・ピィ・ティ

効率性の向上施策としてのRPA導入

薮本:

パソナでは、BPO事業を中心にお客様の業務改革や効率化に取り組む中で、2016年から事業としてRPAに取り組んでいます。パソナのRPA事業では、以下大きく3つのサービスをご提供しています。

  1. RPA導入アセスメントサービス:全社の中で、RPAに適合した業務を抽出するサービス
  2. RPA設計・保守サービス:RPA設計可能な人材センターを保有し、派遣または受託を行うサービス
  3. RPAツールの導入:複数社のロボットで適したものを選別、ご提供するサービス

現状、50社を超える企業様へロボット導入を支援しています。その中で、見えてきている傾向としては、「自動化が目的」となっているプロジェクトが多いことと、導入後にどのようなことを現場担当者に期待しているか、という期待役割内容が伝達されていないトップダウンのプロジェクトが多い、ということです。そんな中で、いくつか課題が見えていますので、ご紹介いたします。