パソナ宇宙プロジェクト主催 『ビジネスセミナー(第二弾)』 開催

これから宇宙ビジネスに関わる人材となるためには?

宇宙ビジネス・宇宙事業に係る官民連携事業をご専門とされる齊田様、さまざまな産学連携プロジェクトを手掛ける橋本様を講師に迎え、
「宇宙に関わるお仕事がしたい!宇宙に関する新規ビジネスを生み出したい!」とご興味をお持ちの方に向け、
ビジネスセミナーを開催いたしました。

第1部 ~これからの宇宙産業におけるイノベーション人材とは~
       今後の日本の宇宙産業で必要とされる人材

現在の宇宙産業における宇宙ビジネスの動向について、事例を交えてご紹介頂きました。
また現在の動向をふまえた上で、今後日本の宇宙産業ではどのような人材が必要となるのかについて、お話頂きました。

■宇宙ビジネスの動向 〜世界・日本〜
世界では宇宙ベンチャー企業が多く台頭してきている。特に大きな影響力をもつのは、宇宙業界の出身者ではなく大手IT企業出身者による創業。

例えば、米国のSpace VR社は、宇宙空間をVR(Virtual Reality)で楽しめるようにする事業に取り組んでいる。人工衛星を自社で打ち上げ、宇宙空間を6ヶ月にわたり撮影し、VR化するようです。宇宙空間のVR映像は、様々な場面での活用が想定される。このように、衛星を活用したユニークで多様なビジネスが創出されている。
一方日本企業も、ロケット事業や小型衛星事業で世界と同じ土俵で事業展開を行おうとしている。
日本を代表する宇宙ベンチャー企業というと、インターステラテクノロジズは、超小型衛星の打ち上げロケットなどの開発と打ち上げサービスを手掛けようとしている。

■今後求められる宇宙人材
従来から求められてきた設計、製造を行う技術者はもちろんのこと、今後はビジネスそのものに関して、専門的な知見や実績をもった人材が必要とされる予想される。

例えば、企画や営業、マーケティングファイナンス力で長けている人材、法務的な知見をもった人材、大きなプロジェクトを動かしていた経験者、既存のものばかりでなく柔軟な発想ができる人材等、今後も急速に変化していく宇宙産業において必要とされる人材やスキルは多様性に富む。

    10:30~11:15 第1部 講演


    株式会社日本総合研究所
    リサーチ・コンサルティング部門

    齊田 興哉 様

第2部 ~オープンイノベーション~

今回のイベントでは、「イノベーションを生み出すには?」というテーマで、
今まで携わってきたオープン・イノベーションのご紹介や、今後更に発展していくであろう宇宙産業におけるイノベーションについてお話していただきました。

オープン・イノベーションとは何か、何故大切か。
大手企業・中小企業・大学などがフラットな同じ立場で新事業を企画・推進していくことでパートナーとして連携していくことをオープン・イノベーションといいます。
各々の強みを組み合わせることにより業界の常識を超えた発想が得られ、可能性が大きく広がり市場の変化に素早く対応できる。これこそがオープン・イノベーションの強みである。

実例として、化粧品関連や医療・介護に関する分野、また様々な業界が新たな関わりを持ち、二人三脚でイノベーションを起こしていく過程をご紹介して下さいました。

宇宙産業のオープン・イノベーションとして「JAXA宇宙探査イノベーションハブ」をご紹介していただきました。
今までJAXAとコネクションのなかった企業や大学などから、技術発掘、宇宙への応用を目指した研究開発を実施することをコンセプトとしています。JAXAはロケットや衛星の技術は豊富だが、月面探査車、建設、センサーなどの技術や情報、コネクションが不足しているという現状があります。目標は3年後の地上実用、10年後の宇宙搭載、更にはその先の新価値創造を見据えた意義・哲学・ブランディングが必要とされています。
宇宙探索とはどうあるべきか、私達のように宇宙産業にこれから関わっていく立場で新たな化学反応を起こすにはどのような考えを持ち、行動していくべきか考えさせられる講演でした。

    11:20~12:00 第2部 講演

    株式会社フューチャーラボラトリ

    橋本 昌隆 様

第3部 トークディスカッション ~齊田様×橋本様~

第三部では、齊田様、橋本様にご登壇頂き、お二人を中心にトークディスカッションを行いました。
参加者からも多数ご質問を頂き、白熱したトークディスカッションとなりました。

■宇宙ビジネス、宇宙事業はどうなっていくべきなのか。
⇒今までは官主導により、技術開発中心の産業であったが、技術の成熟の為、より民間主導になっていくと良いのではないか。すでに宇宙産業へ参入している大手企業だけではなく、中小企業や異業種の企業も参入していくことで新しい風が吹くのではないか。

■日本で有人ロケットを打ち上げるとなると、やはり阻害要因が多いのではないか。
⇒確かに、世界と比べると日本では積極的に有人の打ち上げをバックアップする風潮はないかもしれない。理由としては日本人の文化的な部分や性格も大きく影響していると思うが、有人ロケットの安全基準や保険関連を整えていくことで日本でも打ち上げが可能になっていく道はあると思う。

■宇宙教育分野に携わっているが、宇宙教育という観点でどうお考えか。
⇒教育の観点でいうと、宇宙分野の中でも宇宙物理学はこのまま学術として進んでいくのではないかと思う。今後強くしていかないといけないのは、宇宙法の分野や、宇宙市場のマーケティング分野。今後、宇宙ビジネスが大きくなっていくにつれ、新しい分野の教育が必要になっていく為、時代の流れについていく柔軟さも必要。 
また、新しい宇宙教育分野を開拓していくことに合わせて、テクノロジーの啓蒙をしていく必要があるのではないか。高度な技術がJAXAで開発されても、啓蒙されていないのでは。その意味においても広報や宣伝の分野も力を入れていく必要があるのではないかと思う。

■宇宙ビジネスを海外ではなく日本でやるメリットはあるのか。日本でやると法的な観点、出資を受けやすいという観点からも海外でビジネス展開を図るほうが成功するのではないか。
⇒もちろん海外を拠点に宇宙ビジネスを進めていくこともひとつ手である。シリコンバレーや環境も整っているし、ベンチャーを受け入れる気質もある為、出資も受けやすい。ただ、一方で、日本の宇宙ビジネス界を盛り上げるという点でも海外ではなく日本で宇宙ビジネスをやってほしいという気持ちがある。日本人が持ち合わせている言葉や表現、感性が活かせる可能性があるからだ。

懇親会の様子

▲宇宙ビジネスの可能性、セミナー参加のきっかけなど、
 話題がつきません!

▲講師の方々を囲んで乾杯!

講師紹介

今回開催したビジネスセミナーにご登壇頂きました講師の方をご紹介させて頂きます。

第一部 齊田 興哉 様(株式会社日本総合研究所リサーチ・コンサルティング部門)

2004年、東北大学大学院工学研究科を修了(工学博士)。2004年、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に入社し、人工衛星の開発プロジェクトに従事。2012年に日本総合研究所に入社。政府が進める人工衛星の整備およびび宇宙事業に係る業務に従事。専門は、人工衛星等宇宙事業に係るPFI事業、宇宙ビジネスである。JAXAでの経験、現職における宇宙ビジネスに関するコンサルティングで得た知見を活かし、日経テクノロジーオンラインにて記事も執筆している

▼講義後のコメント
非宇宙の企業におられる様々な業界の多くのかたが参加くださり、感謝申し上げます。
なかでも技術系以外のかたが、宇宙ビジネスを始めたい、携わりたいという思いをお持ちであることに嬉しさを感じました。

第二部 橋本 昌隆 様 (株式会社フューチャーラボラトリ)

関西学院大学文学部教育心理学科卒業後、研究者専門の人材派遣会社を経て、平成17年4月創業。
先端的な知的領域のビジネス化を促進し、従来にないビジネスモデルを実証実験、社会に提示していくことで、民間ベースでの新たなビジネス支援サービス事業と、その活動によって次々とひきおこされるイノベーションをなりわいとしている。 東京大学、理化学研究所、大手上場企業を始め中小、ベンチャーまで、日本最高峰の研究機関と共にさまざまな産学連携プロジェクトを手掛ける。

▼講義後のコメント
宇宙事業をご存知なかった方々から「おもしろかった」「わかりやすかった」
「私でもチャレンジできそう!」など多くの素敵なご感想をいただきまして感動しております。
今後とも宜しくお願い致します。

今後のイベント情報

宇宙講座、および今後のイベント開催に関するご意見・ご要望がございましたら、
下記宇宙事業プロジェクトまでご連絡ください。

space@pasona.co.jp

主催

株式会社パソナ 宇宙事業プロジェクト

2015年7月より若手社員を中心に発足。ロケット打ち上げパブリックビューイングやセミナーを開催。
宇宙ビジネスの拡大、および宇宙ビジネスに関わる人材の育成を目指したプロジェクトを推進している。